1、2年生クラスで行われていたのは、「プログラミング」の授業。一見ボードゲームやおもちゃで楽しく遊んでいるように見えるが、「ロボゲーム」は、プログラミングの基礎となる論理的思考をボードゲーム形式で学べる学習教材。テントウムシ型のロボットは、子ども向けプログラミング言語・Scratch(スクラッチ)によりあらかじめ指示した通りに動かすことができる。フィンランドのプログラミングの授業は、昨秋から必修化。取材当日は8人の児童が2~3人の少人数グループに分かれ、それぞれの活動に集中していた。

写真左:ボードゲームを使い、遊び感覚でプログラミングの基礎を学ぶ、写真右上下:スクラッチでロボットの動きをプログラミングし、実際に動かす
写真左:ボードゲームを使い、遊び感覚でプログラミングの基礎を学ぶ、写真右上下:スクラッチでロボットの動きをプログラミングし、実際に動かす

 「1年生は道具を使わず、ペア形式で1人が『前に3つ、左に2つ』などと指示を与えると、もう1人は自分の体を使ってその指示に従う。実際の動きを体験した後に、2年生ではボードゲームや簡単なプログラミングへと段階的に進めていきます。遊びだと思って取り組んでいるうちに自然とできるようになり、興味や自信へとつながります」とミッコ校長。ICTを利用し、様々な感覚を使うことで感じた意見を生徒同士で交換し、さらにそれを作文で書くなど、学習するだけでは終わらないアウトプットも大切。

 「マインクラフトが好きな生徒が自分でつくった町を発表したり、360度方向で撮影した写真を投影しながら何を学んだかを説明したりするなど、テクノロジーを活用することで学びの可能性が広がります。ICTは時代に対応したスキルを身に付けられるだけではなく、興味をより深め、未来を生きるために必要な力や思考力を助けるツールの一つだと考えています

 
2年生が作ったレゴの紹介をする図画の授業。子どもたちが海賊船をモチーフにした座席をつくり、自由に場所を選んで授業に参加している
2年生が作ったレゴの紹介をする図画の授業。子どもたちが海賊船をモチーフにした座席をつくり、自由に場所を選んで授業に参加している