日経DUALの読者の皆さん、こんにちは。3歳の娘と5歳の息子を共働きで子育てしながら、毎日必死なイクメンFP、ヤマサキです。家事・育児に関わる時間は、少なくとも年間1500時間! 本連載ではイクメンFPとして、「子育てとお金」と「男の家事・育児のやり方」をテーマに、基本的には毎月交互に展開していきます。今回は、「共働き世代の転職」について考えます。

共働きは、実は転職に強みがある

 今回は、家事や育児からしばし離れ、仕事の話です。実は子育てと仕事に奮闘している共働き夫婦は、「転職」に強みがあるということをご存じでしょうか。

 共働きで仕事をしている夫婦は、共働きという状況そのものがとても有利であることをもっと自覚してほしいと思います。世帯年収を大きく高められるだけではなく、仮に夫婦どちらかの会社が業績悪化してボーナスが減ったり、失職したりしても、もう一人が働いているのでなんとか乗り越えられる「リスクヘッジ」の強みも共働きにはあるのです。

 どちらかが健康が悪化してしばらくお休みすることになったり、キャリアを再構築するために学び直しの時期が必要になったりした際も、共働きのほうが安心なのは明らかです。

 そして共働きのもう一つの強みが、「転職」にも有利であることなのです。

今は転職の絶好のチャンス。もしかしたら人生ラストチャンス?

 この話、私は色々なところで慌てて話をしているのですが、子育て世帯が転職活動をするなら、今年から来年にかけてが「ラストチャンス」かもしれません

 団塊世代はもはや完全に引退し、日本は労働力人口が毎年何十万人も減っていく社会になっています。アルバイトやパートは人材難が明らかですが、実は正社員も人材確保に動く企業が増えています。

 有効求人倍率という統計がありますが、これが1.6倍になっているというニュースを最近耳にされたかもしれません。これは非正規も含んだ募集率なのですが、実は正社員待遇での求人募集も高まっており、それが現在1.1倍を超えている状況にあります

厚生労働省「一般職業紹介状況(平成30年8月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00007.html

 有効求人数を有効求職者数で割って算出する有効求人倍率は、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。実は2009年ごろの正社員の有効求人倍率は0.2~0.3くらいまで下がっていました。極端な話、現在は10年近く前と比較して、求人票が4~5倍に増えているということになります。

 さらに言い換えれば、「内定をもらえるチャンス」「いい会社が見つかるチャンス」「年収の上がるチャンス」が5倍に増えているということです。それくらい、今は転職するチャンスなのだという意識を持ってほしいと思います。