子どもの成長を踏まえて「あえて波風立てる」「失敗する」のはパパの仕事

 しかし、子どもはどんどん成長していく生き物です。これまでは必須だったものがそうでもなくなったり、サイズが合わなくなったりするので、テンプレは状況に応じて変えていく必要があります

 しかし、ママは忙しさのあまり、テンプレを改善する余裕がないのが正直なところではないでしょうか。テンプレをあえて変更するということは、失敗のリスクがあるということでもあるからです。

 テンプレとして用意していたスタイを、もう大丈夫かなと付けずに食事をさせてみたら、案の定食べこぼしだらけで服を汚れてしまったり、お着替えをかばんに入れなかったときに限っておもらししてしまったり。そのたびに大騒ぎになり、余計な手間や時間がかかります。

 できるだけトラブルや無駄のないように子育てをしたいが故に、ママはなかなかテンプレートのアップデートができないのです。だとすれば、「あえて時々これまでと違うことをしてみる」というのは、パパの重要なイクメンノウハウかもしれません。

 例えば子どもの成長をみて、

 「このプロセスは省略できるかもしれない」
 「この持ち物は持っていかなくてもいいかもしれない」
 「今まで行けなかったところでも行けるかもしれない」
 「今までと違う時間割でも大丈夫かもしれない」

 というようなチャレンジをしてみるのです。

何回か失敗すれば、子どもはどんどん手がかからなくなる

 わが家のケースでも、心配性が故になかなかテンプレを簡略化できない妻に代わって、私が時々チャレンジをしてみました。

 例えば育児関連なら、

 「お昼寝を省略してみる」
 「今まで食べさせたことのないものを食べさせてみる」
 「荷物をぐっと減らして外出してみる」
 「ベビーカーなしの外出をしてみる」
 「今まで行けないところに行ってみる(どこでトイレに行くかどこで食事をするかも決めずに)」
 「自分でやらせてみる」

 といったことを試してみるようにしています。

 気まぐれで都バス旅行をしたときも、いきなりトイレに行きたくなったらどうするのかと妻は心配していましたが、子どもは大喜びでしたし、結局なんとかなりました。そしてそれ以降、移動の選択肢に「ベビーカーなしのバス」が加わりました。

 先日は、これまで絶対に外出させなかった時間帯に、子どもを連れ出してセミの羽化を観察させてみました。「特別に見せてあげるけど、帰ったらすぐ寝ること!」と約束しておいたら、睡眠時間はさほど変わらずに、セミの羽化の観察という大興奮の体験をさせることができました。

 家事でも、

 「子どもの服を大人の服と一緒に洗濯する」
 「洗剤は大人と同じものでOKとする」
 「シーツは乾燥機まで回す」
 「お茶入れのパッキンを洗うのは2回に一度にする」

 このように細かいことですが、家事を一部省略するようなことを時々試しています。

 やってみると、「今まではこだわっていたけど、もうこれでOKかな」となって、以降の家事負担が楽になったりするのです。