“痛勤時間”がゼロになれば、そのぶん家事・育児ができる

 実は私の妻も、テレワークを導入している会社に勤めています。最初は上司も乗り気ではなかったそうですが、全社的に推進しており、子育て中の妻に打診があったそうです。そこでテレワークを始めてみると、これは子育て世帯にとって最高の働き方であることが分かってきました。

 何より大きいのは「通勤時間の短縮」です。俗に“痛勤時間”ともいいますが、移動そのものが体力的負担となっていて、会社に着くころにはヘトヘトという人もいるでしょう。でもテレワークをすれば「始業時刻に自宅のパソコンに向き合い、上司に業務開始を連絡する」だけでよくなります。

 もちろん帰りの通勤時間もありません。保育園のお迎え時間を気にしてダッシュし、電車に駆け込むこともなく、業務終了時間に上司に連絡をすれば、そこであなたは「帰宅」となります。あなたがもしドアツードアで片道の通勤時間が60分であれば、往復120分間の短縮となり、その時間を他のことに振り向けることができるのです。

 男性が家事・育児をできなかった理由に、「保育園に送ってから出社するのでは間に合わない」「多少早めに帰宅したところで夕食時間には間に合わない」といった声があります。これらの問題は、テレワークすれば全部解決できてしまうわけです。

 男性と女性の家事・育児の参加時間にはいまだ大きな差がありますが、テレワークをするだけでその差をほとんどカバーできるかもしれません。

テレワークで“痛勤時間”を他のことに振り向けよう(写真はイメージ)
テレワークで“痛勤時間”を他のことに振り向けよう(写真はイメージ)