日経DUALの読者の皆さん、こんにちは。2歳の娘と4歳の息子を共働きで子育てしながら、毎日必死なイクメンFP、ヤマサキです。家事・育児に関わる時間は、少なくとも年間1500時間! 本連載ではイクメンFPとして、「子育てとお金」と「男の家事・育児のやり方」をテーマに、基本的には毎月交互に展開していきます。今回は、多くの働くママに押しつけられている「名もなき家事」について考えます。

「名もなき家事」が実はママの重荷になっているかも

 発言のオリジナルがどこにあるかは分からなかったのですが、「パパがやったと思っているゴミ捨ては、ただのゴミ移動でしかない」という話があります。

 パパは、朝の忙しい時間帯に玄関にあるゴミ袋を持って、集積所に運んでから出社している、オレは家事をやっている、と思っているわけですが、ママにしてみると「それは玄関から集積所への“移動”でしかない」というのです。

 なぜなら、ゴミ捨てにはもっとたくさんのプロセスがあるからです。

(1)ゴミ回収日の曜日と種類を確認する
(2)部屋中のゴミ箱からゴミをまとめる
(3)ゴミ袋を交換する
(4)ゴミ箱の底や周辺の汚れがあれば拭き取る
(5)すべてのゴミ袋をまとめて玄関に置く
(6)玄関からゴミ集積所まで“移動”させる

 ここまで含めて、「ゴミ捨て」なのだ、というわけです。

 ところが(1)から(5)までのステップは「ゴミ捨て」と思われていないことが多く、こうしたささいな家事の積み重ねは、大きな負担となっています。多くの場合、働くママのほうに、です。

 こういう細かい家事に、最近「名もなき家事」という名前が付けられたことで注目されるようになっています。「ワンオペ育児」のように市民権を得ることで、家事や育児の分担を考えるうえで意味があるはずです。

 今回はイクメン(=家事メン)のノウハウを考えるヒントとして「名もなき家事」について考えてみます。