DUAL世帯は「仕事にも家庭にも影響なくできる投資」をすればいい

 まず、最初に言っておきますが、投資はずるいことではありません。世の中が成長していくためにお金を投じることで、その成長の対価を企業や世の中と分かち合うものです。会社員の多くは株式会社に勤めていますが、あなたの会社も誰かが株主となってくれることで、企業が継続して活動し成長する原動力を得ているのです。

 私たちは成長をしていく企業の株主になることで、今まで世の中になかった便利な商品やより安い商品が誕生する手助けをし、企業がうまく成長すれば株式の値上がりや配当(実は年1.5%くらいの利回りに相当します!)をもらうことができます。世の中も豊かになり、あなたの懐も豊かになるのが、投資の本来の姿なのです。

 忙しく子育てをしつつ、しかも共働きしているDUAL世帯は、短期的な売買ではなく中長期的に企業の成長に投資をする感覚で運用をしてみたいものです。そうすることで「仕事にも家庭にも支障の生じない投資」ができるようになります。

 まず、仕事の時間に投資が食い込むことは避けましょう。スマホがあれば投資ができるとはいえ、仕事中に株のリアルタイムトレードを繰り返せば、仕事には集中できませんし、業績が下がりボーナスの査定や人事評価で損をするのがオチです。

 自宅でのんびりしたり家族とコミュニケーションを取る大事な時間を削るべきでもありません。帰宅後、FX(外国為替証拠金取引)でドルを売ったり買ったりしてはみたものの、毎日5000円以上損をしてはイライラをママにぶつけるようなら、そんな運用はしなければいいのです。

 経済の成長は長い目で見れば、ほぼ確実にプラスです。国内外の株式に分散投資した試算では20年の積立投資を続けた場合、99%の確率でプラスになっています。ちなみに定期預金は17%の確率で物価の上昇に追いつかず、「実質的な元本割れ」になっているそうです(名古屋市立大学教授臼杵政治氏の試算による)。しかも、その成績は預貯金の金利より高くなります。