子どもが中学生になったら、自分の口座を持たせてみよう

 さて、子どもが小さいときは親がまとめてお金を管理する、というイメージで銀行も証券口座も使えますが、子どもが中学生になったら、子ども自身でカードを管理する「自分の銀行口座」として活用することもできます。

 お年玉を自分で管理させることを認めた場合、万円単位のお金を机にしまっておくのはリスクがあります。家庭内や友人間の盗難トラブル(兄弟姉妹がこっそり取ったり、友達が出来心で取ってしまったりする可能性はゼロではない)が生じると、これはちょっとした面倒ごとになります。

 すぐに使わないお金、高額のお金は銀行に預けておくという金銭教育としても、キャッシュカードを自分で持たせるのは悪くないアイデアではないでしょうか。

 口座開設については、親権者の書類だけで開設できることもありますが、できれば銀行の支店に一緒に連れて行き、口座開設までのプロセスに同席させてみてはいかがでしょう。銀行の窓口はそれなりの緊張感もありますし、これから大人の仲間入りをするという自覚も芽生えるかもしれません。

 銀行口座を持つということは「お小遣いをもらって使う」だけではなく「今はためて将来使う」「今はためて利息を得る」というような選択肢を与えることになり、金銭教育としても効果的です。

 また、ATMの使い方も教えておきたいところです。コンビニで使うと手数料がかかるといったことも理解させておかないと「1000円下ろして108円払う」といったような、とんでもなくコスパの悪い取引をしてしまうかもしれないからです。

 親がお小遣いを渡すプロセスも「銀行口座に振り込んでおいたよ」とするのもいいかもしれません。お金をもらう実感が薄れるデメリットはありますが、将来働いたときの給料は通常、銀行振り込みですから、振り込まれることに慣れておいて損はありません。

子ども名義の口座は子どもを一人前に扱う第一歩

 子どもが未就学児でも、中高生でも、子ども名義の銀行口座などを開設することは「子どもを一人前扱いする」ことの第一歩です。

 最初に述べたメンタルアカウンティングによって「この口座のお金は子どものもの」と思うことで学費準備が進めば、子どもの進路を経済的な問題で制限してしまう不安も軽減します。

 またアルバイトを始めたりすれば銀行口座をしっかり使っていくことになりますから、中高生の段階で自分の口座を使わせてみるのが特別早いわけでもないと思います。未成年口座にはキャッシング等の機能は基本的に付与できませんので、気が付けば借金していた、というような心配もないはずです。

子ども名義の口座の開設、一度考えてみてはどうでしょうか。

(イメージカット/鈴木愛子)