まずは子どもの判子から作ろう

 銀行の多くは、今でも口座開設に判子を必要とします。自分がいつも使っている判子は自分のものですし、口座開設時に別の判子を求められる場合も多いので、2つ用意しておくといいでしょう。

 たいていの家には判子は2つ以上あるでしょうし、簡単なものならすぐに購入できます。でも、せっかくですから子どもの「名前」で判子を作ってみてはどうでしょうか。そのほうがより「子どもの口座」という意識が高まります。

 オンラインショップでは、いくつもの判子屋さんが実印や認め印をセットで販売しています。材質にこだわらなければ比較的安いですし、将来的にも子どもにプレゼントすることができますから、作っておいて困ることはありません。

 私の場合、子どものフルネームの実印と、名字ではなく名前で作った認め印のセットを子どもが誕生したときに購入。子どもが大きくなったらプレゼントしようと思っており、実際にこれを使って口座開設しました。

銀行口座は「一方通行」で入金のみにする

 銀行口座については、各銀行のホームページなどを事前にチェックするか、支店に問い合わせるなどして資料の準備をしておくといいでしょう。

 口座開設の場合、一般的には子どもの健康保険証と、自分と子どもの両方が記載されている住民票を用意しておくとスムーズに手続きできると思いますが、各行の取り扱いルールを確認してください。銀行によっては口座開設時にマイナンバーカード(写真付きのカードを作っていない場合、紙のものでもOK)を求められる場合もあるようです。

 同じ支店に親自身の口座がない場合、親も口座を開設してほしいと頼まれることがあります。この場合は合わせて口座開設をするか、既に口座を持っている銀行の支店で開設するといいでしょう。何度も窓口に通う手間を考えたら、書類をしっかりそろえて郵送のみで口座開設してもいいと思います。私は支店に出かけて口座開設しましたが、予想外だったのは「モバイルバンキングの暗証番号を今決めてください」と言われたことでした。銀行員には見えないようにして入力するのですが、焦ったことを覚えています。あらかじめ考えておくといいかもしれません。

 さて、口座開設を済ませたら、その銀行口座は「入金のみ」で残高を増やす一方通行の口座にしたいところです。誕生祝い、七五三のお祝い、お年玉などで頂いたお金をどんどん入金していきましょう。

 児童手当も、できればそのまま入金してください。月1.5万円の貯金が苦しい人も、児童手当を振り込まれたらすぐ子どもの口座に振り替えるようにすれば、ほぼ同額の貯金が実現できるからです。

 ちなみに児童手当を子どもの誕生からずっと貯金し続けると、高校と大学の入学金の合計額くらいになります。児童手当がないと家計的に厳しいという人もいるかもしれませんが、子どもが15歳と18歳の春にはきっと報われることでしょう。

 ちなみに、入金だけなら通帳かキャッシュカードのいずれかがあればよく、暗証番号も必要ありません。暗証番号は忘れてもいいくらいです。実は、私はなぜかメモを書き間違えていたらしく、長男の銀行口座の暗証番号が不明なのですが、「下ろせないほうがむしろいいのでは?」と考え、今のところ放置しています。もちろん銀行窓口で所定の手続きをすれば、暗証番号は変更して引き出せますから問題ありません。

 残高が30万円、50万円と増えていくと「子どものお金がしっかりためられている」という意識も高まりますし、下ろさないでガマンする力にもなるはずです。