具体的には、

  1. 朝起きたら必ず朝日を浴び、帰宅後は間接照明で過ごす(光を意識)
  2. カーテンの遮光度を上げる
  3. 15時を過ぎたらカフェインを控える
  4. 食物繊維をたっぷり取って生クリームは控えめに
  5. マットなどの睡眠アイテムを見直す

 です。

 ①は朝起きたら娘とベランダに出て最低1分間は朝日を浴び、体内時計をリセットします。帰宅後は間接照明にし、蛍光灯はつけません(新生児の頃から徹底していたためか、娘は夜泣きがありませんでした)。④は意外かもしれませんが、食物繊維と飽和脂肪酸(お肉の脂身や生クリーム)が睡眠の質に影響することがコロンビア大学の研究から報告されています(※1)。

 弊社が監修を務めている「まるのうち保健室」においても、熟睡度と食物繊維の摂取量に相関がみられたことから、納豆や根菜類、わかめやとろろ昆布などの海藻類、豆乳やアーモンドミルクなどから食物繊維の摂取量を増やしました。これからの季節は鍋でおいしく食物繊維が取れますね。日々の食卓に、人参や豆苗などを意識して取り入れましょう。

グッドスパイラルを起こす朝の習慣

 健康を考えるとき、肝心なのは「朝の過ごし方」です。

 私たち日本人の体内時計は1日24時間ではないので、どうしても地球の時間と時差が生じ、体内時計の乱れが肥満や糖尿病、うつや慢性疲労などをもたらします。そこで、毎朝体内時計をリセットすることが心身ともに健康でいるための条件といえるのです。実際に日本人を対象とした調査で、朝ごはんを毎日食べる人と週2回以下の人では、幸福感や生活満足に大きな差が生じています(※2)。

 体内時計のリセットには、朝日だけではなく、タンパク質(肉・魚・大豆・卵・乳製品)を含む朝ごはんを食べることも条件のひとつ。おにぎりやパンだけではリセット力が弱いため、納豆ごはんや焼き鮭、目玉焼きトーストなど、必ずタンパク質を含む朝ごはんを起床後2時間以内に食べましょう。

 さらに、朝ごはんには就寝中に下がった体温を上げる働きがあります。寒さも深まるこれからの季節、家庭内パンデミック予防はどの家庭においてもプライオリティーのトップであるはず。私も膀胱炎を一度経験してしまったので、感染症予防には並々ならぬ思いがあります。朝起きると家族の手足が冷たいことがありませんか? 免疫力に大きな影響力をもつミトコンドリアは“体温依存性”があり、37℃でもっとも機能します。

 よって、下がった体温を上げることは感染症予防にもつながるため、食事の消化によってもたらされる体温アップも健康維持に欠かせません(わが家は夜に加えて秋冬は朝風呂習慣もあります)。風邪やインフルエンザの予防効果が立証されているビタミンDを取れると文句なしの朝ごはんになりますので、しらすや鮭、卵、きのこを積極的に使いましょう。その他、鮭フレーク茶漬けやきのこのオムレツ、スクランブルエッグなどもいいですね。

 言わずもがな朝食とその中身は、学力や気力、午前中の生産性、ひいては年収にまで影響することは数多くの研究で証明されていますので、朝は家族の健康と子どもの発達発育への投資時間帯と考え、バタバタしても朝日を1分以上浴びる+タンパク質のある朝ごはんは死守したい習慣。北向きの部屋の人は通勤・通学時間でも大丈夫です。