忙しい両親との楽しい時間の思い出が、創作活動の原点に

── 普段、子どもと一緒に過ごす時間が限られる分、休日は心に残ることを家族一緒にしたいというのは親心ですね。仕事で忙しい親が工夫を凝らした“思い出に残る休日”のプランは、デビュー作の『あめのひえんそく』(岩崎書店)に実体験が投影されています。

まつお 『あめのひえんそく』は、雨で遠足に行けなくなった主人公とお母さんが、家の中を森や川や橋に見立てて探検をし、シートを敷いてお弁当を食べる、というストーリーです。母がまさに同じ遊びをよく家でやってくれていました。こんなふうに……。

忙しいながらも親子でたくさん遊んだ記憶が残るまつおさんの思い出
忙しいながらも親子でたくさん遊んだ記憶が残るまつおさんの思い出

── わあ、思い出のイラストを描いてきてくださったんですね。布団を橋に見立てて渡っているまつおさんを、お母さんが優しく見守っています。

まつお 小学校低学年のころまで、よく母がしてくれた大好きな遊びなんです。中でも印象に残っているのは、畳の上に敷いたレジャーシートに座って、母が作ってくれたお弁当を食べたこと! すごくおいしくて、楽しかったんです。簡単なチョコレートケーキもよく作ってくれて、姉と競い合ってクリームをなめました。その影響もあって、私も菓子作りが趣味に。今は「あなたのほうが上手になったから」と母にケーキを作ってもらえないのが寂しいです(笑)。

── 忙しい中にも、子どもたちと一緒に、無理なくDUALライフを楽しむ工夫をされていた様子が伝わってきます。

まつお 母は独身のころに幼稚園教諭だったこともあり、私が物心ついたときから絵本が家にたくさんあって、毎晩読み聞かせもしてくれました。その影響もあって、絵本は私にとって特別なものですね。

ラガーマンで多忙な父 運動会よりもチームの試合を優先!?

── お父さんとはどんなふうに接していましたか?

まつお 私たちが小さいころは、父は多忙で出張も多く、あまり家にいませんでした。しかも週末はラグビーチームに入っていて、運動会があっても「俺も試合があるから」と言って、途中でいなくなってしまう人だったんです(笑)。

── 家のことは妻任せ、という感じだったのでしょうか。

まつお 起業したばかりで忙しかったこともあり、昔は料理など一切していませんでしたが、クッキー作りはずっと父の担当で、「お父さんのクッキー」と呼んで、姉も私も喜んで一緒に作ったり食べたりしていました。仕事に余裕が出てからは、母と家事を分担するようになり、今では家族の夕飯をほぼ毎日父が作ってくれています。料理雑誌を見ながら色々凝った料理も作ってくれるんですよ。

 改めて思い返してみると、ダンボールで家を作ってくれたり、クッキーを一緒に焼いてくれたり、忙しい中よく遊んでもらっていたなあ、と。両親からは、厳しく言われたり何かに反対されたりすることなく、愛情を受けて育ててもらったなと感謝しています。