夕食は夜10時。それが当たり前の習慣として染み付いていた

ファクトリエを展開するライフスタイルアクセント代表取締役の山田敏夫さん

山田 店の手伝いは物心ついた頃からしていましたね。店舗の2階に自宅があったので、学校から帰宅する時はいつも店の中を通って。店番もよくしていましたし、正月には店先に立って「福袋、いかがですか~」と道行く人々に声を掛けるんです。時々、同級生が通って恥ずかしかったですね(笑)。

 学校から帰って店が閉まるまでは、2階の子ども部屋で「キン肉マン消しゴム」を戦わせるなど一人で遊んで過ごしていたのですが、夜8時の閉店時間の30分前には下に降りなきゃいけない決まりで。シャッターを閉め、床を掃除して商品棚に幕をかけて、やっと家族そろって食事にありつけるのが夜10時くらい。それが毎日のことで、当たり前の習慣として染み付いていました。

―― お手伝いは率先してやっていたんですか?

山田 内心はイヤイヤでしたよ。だって、19時半から始まるアニメ番組「ドラゴンボール」の最後の5分間のシーンを見ずにテレビを消さないといけないんですから(笑)。めっちゃ後ろ髪を引かれながら……。

 でも、おやじからは毎日のように「どうせやるなら、いい返事をして、いい気持ちでやって、こっちの気持ちをよくしなさい」と言われていました。確かに、いい返事して言われたことを素直にやると、おやじから褒められるし、特に頑張った時にはお小遣いももらえるんです。どうせやるなら、元気を出して笑顔ですぐに取り組んだほうが、相手が喜んでくれるし、自分も得をする。子どもの頃に体得したこの実感は、今の僕の姿勢にもつながっていると思いますね。

―― 晩ご飯が夜10時だったとは驚きました。ちなみに、お店以外でご家族一緒に過ごした思い出は?