母の「人生を楽しむ姿」が手本に

―― ご自身とご両親、似ているところはあると思いますか?

駒崎 母親とはそっくりだと思います。特に、空気を読まず、驚くほど大きなリスクを平気で取ってしまうところとか(笑)。母も僕と同じように多動傾向があって、危なっかしいんですよ。山登りが趣味なんですが、突然、難易度の高い山に1人で登ったりして……。でも、基本的にはいつも明るくて忙しない「下町のおかん」って感じで、いつも人生を楽しむ姿を見せてくれました。

―― 弱音は一切吐かないお母様だったのですか。

駒崎 いやいや、普通に家で愚痴を言ってましたよ。「今日は仕事がしんどかった」とか、「私ばっかりすごく大変!」とか。でも、愚痴を言うだけでなく、うれしいことがあったときには「今日は売り上げがすごくよかった」「お客さんが喜んでくれた」などと明るく話していたことをよく覚えています。

 僕にとって、母は人生を楽しむ身近な手本の一人ですし、僕の挑戦を応援してくれるサポーターでもあります。病児保育を始めたときの最初の保育スタッフとしても働いてくれました。10年ほど続けた後に「体にガタがきちゃったから」と仕事を離れましたが、今でもちょくちょく気にかけてくれるのは本当にありがたいですね。

(取材・文/宮本恵理子 写真/駒崎さん提供)