前回に続いて紹介するのは、長男が白血病になり1年間の24時間付き添いを経験、そこで感じた「違和感」をきっかけに行動を起こした石嶋瑞穂さんです。現在は、ポータルサイトなどを通じて、病気や障がいのある子どもたちのかわいらしさを追求する「チャーミングケア」という概念を広めながら、医療ケアグッズなどの販売を行うECショッピングモールの運営・管理を行っています。後編の今回は、石嶋さんが直面した病院での24時間付き添いの経験と、現在に至るまでの経緯をご紹介します。

今回のDUALなヒロイン

石嶋瑞穂(いしじま・みずほ)さん。1978年生まれの41歳。夫と小5・小4・小2の3人の息子と共に大阪で暮らす。

2016年に企画・提案書、プレゼン資料作成代行などを請け負うSTR企画を立ち上げる。長男の入院でCVカテーテルカバーなどの医療ケアグッズの必要性を実感し、病気と闘う子どもたちとその家族を応援するショッピングサイト「マミーズアワーズショップ」、病気や障がいのある子ども、その親などに向けた情報発信を行うポータルサイト「みんなのチャーミングケアラボラトリー」の運営をスタート。現在は、「チャーミングケアモール」の代表取締役社長として、国内外に向けたECモールを運営・管理する。2017年「J300アワード特別賞」、2018年「大阪商工信金社会貢献賞」を受賞。


 子どもが入院すると、親が24時間付き添わなければならない病院と、そうではない病院があるのを知っていますか?

 私が初めて24時間付き添いを経験したのは、三男が1歳になる前でした。川崎病の治療で入院したのですが、驚くことばかりでした。例えば、私たちの眠る場所。患者ではない付き添いの親には、ベッドなどが用意されていませんから、赤ちゃんが眠るベビーベッドで「くの字」になって眠らなければなりません。

 三男が入院した病院では、子どもの昼夜の採尿を親がやることになっていて、相手が小さな赤ちゃんなのでなかなかうまくできなかったんですね。医療スタッフから、「しっかり採尿してください」と言われたときには、どうして私が責められなければならないのかと思い、「私は看護師じゃないんですよ」と声を荒らげたこともありました。

 これは後になって知ったことですが、24時間付き添い以外を選択できる病院もあるようです。しかし長男が入院するときにも、私たちはそうした選択肢があることすら知りませんでした。