収入が安定するまでは、子づくりどころではなかった

左側が、お笑い芸人時代の山田さん
左側が、お笑い芸人時代の山田さん

 僕は今、プロの紙芝居師として働いています。以前はお笑い芸人で、妻とは駆け出しの頃にバイト先で知り合い結婚しました。

 意外に思われるかもしれませんが、紙芝居師としての今は、安定した稼ぎが得られているんですよ。ですが、妻と結婚した頃は、そんなことはありませんでした。

 妻の両親に結婚のあいさつへ行くのは、緊張しましたね。ただ、本当に温かい家族だったのが救いで、結婚を反対されることはありませんでした。それどころか、実家へ行くと、すっかり舞い上がったお義父さんから、「なになに? なんか話あるんだろ。結婚? 結婚?」と詰め寄られたくらいで。「そこは俺に言わせてくれよ!」と結婚の意思を伝えると、「分かった分かった! さあ、飲もう」と、もうあっさりです。拍子抜けしましたね(笑)。

 そんなこんなで、結婚してすぐの頃は、デパートで働く妻の稼ぎをメインに暮らしていましたから、とても、すぐに子どもをつくろうと思えるような状況ではなかったのです。子づくりをスタートしたのは、それから3、4年たって、僕の収入が安定してからでした。

ゼロではなく、わずかながら精子が見つかる

 不妊の原因は、今でもよく分かっていません。医師には、「身体的な問題はないので、おそらく精神的なものでは?」と言われました。確かに、東日本大震災があって、一気に仕事がなくなったタイミングでしたから、多少はそうした要因もあったのかもしれません。

 その後は、最初の病院で紹介された、都内の専門病院を受診しました。再び検査を受けると、幸いなことに、僕の精子はゼロではなく、何個かはいることが分かりました。とはいえ、自然妊娠が可能な運動機能は備えておらず、数もわずかです。医師には、良質な精子の1個を針で卵子に注入する、顕微授精を勧められました。