夫婦は共に働き、共に育児や家事をする――。この意識は、ここ何年かでずいぶんと浸透したのではないでしょうか。なのに、子育て世代がモヤモヤを抱えたままなのは、取り巻くルールが旧時代のままだから? この連載では、前向きに自分の人生を切り開いている人を紹介します。一人一人の小さな変革でも、社会を変えるうねりになるかもしれません。

今回紹介する栗林真由美さんは、IT企業で働く2児のママ。第1子出産後には、「降格はあっても昇格はない」と思われてきたかつての常識を打ち破り、あえての時短復帰で、半年後には主任に昇進しました。栗林さんはなぜ、出産後も子育てに適した環境に身を置きながらキャリアアップも実現できたのでしょうか? 栗林さんの妊娠から昇進までの舞台裏をお聞きしました。

今回のDUALなヒロイン

栗林真由美(くりばやし・まゆみ)さん。1982年生まれの37歳。夫と1歳と5歳の娘さんの4人暮らし。

現在は、新卒で入社したIT関連企業に勤め、第2子育休から復帰したばかり。第1子出産後には、時短勤務での育休復帰にもかかわらず、新規プロジェクトマネジャーを担って社内初となる時短勤務での昇進を果たす。「育休をなんとなく過ごす」以外の選択肢を増やすべく、2018年8月には、育休コミュニティ「MIRAIS」を設立して精力的に活動中。


「妊娠=キャリアを諦める」ことだと思い込んでいた

 こんなことをいうと娘に申し訳ないのですが、第1子を妊娠したとき、私が真っ先に思ったのは「これで私のキャリアは終わった」というものでした。

 ショックから家を飛び出し、あとから追いかけてきた夫にたしなめられてやっと我に返りました。子どもはいずれは欲しいと思っていましたが、それは明らかに31歳の「今」ではなかった。当時の私にとって、妊娠とは「キャリアを諦める」ことと同じだったのです。それは疑う余地のないことでした。

 新卒でIT関連の会社に就職した私は、企画部でやりがいのある仕事を任され、働くことに生きがいを感じていました。しかし、ある日突然、それまでとはまったく違うバックヤードへの異動を告げられて。そこからは一転、鬱屈した日々を過ごしていたんですね。

 数カ月後には再び新規事業の柱となる部署に異動になり、徐々に、上司の信頼を得られるようになりました。妊娠が分かったのは、まさにそんな矢先のことでした。

次ページから読める内容

  • 「育休は留学みたいなもの」。180度考えが変わったある女性との出会い
  • 育休中にテーマを決め、復帰後の自分を見据えて過ごす
  • ママボノとプロボノでの成果を比べて、制約のある自分を客観視
  • 上司の気持ちをくみ取る社員。だから時短でも昇進できた
  • 時間に制約があるからこそ、実務以上にコミュニケーションを大切にしてきた

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