ごめんね、よりも大切な「ありがとう」を心掛けたい

 子育てをしながら働いていると、私のように、誰に対しても謝ってばかりいる時期があると思います。そうした時期は、仕事ではもちろん、子どもに対しても「迎えに来るのが遅くなってごめん」などと謝りがちです。

 先日、そんな私に、保育園の先生が「お母さん。『ごめんね』ではなく、『今日も楽しんできてね』『今日は楽しかった?』と言って、ニコニコ迎えてあげてください」と言ってくれました。私が謝ってばかりいるから、息子も不安になるのだと教えてくださったんですね。

 いろいろなアドバイスをもらえる私は、本当に周りの人に助けられています。つい先日も、20代のメンバーから、琴線に触れる言葉をもらいました。

 それは、「浅井さんはすべてを完璧にしようとして、それが人生の完璧だと思っているかもしれない。でも、実は、60の集まりが集まって一つになったほうが、完璧な人生なのかもしれないですね」というものです。

 自分とは違う環境にある相手の立場を、どうしてこんなふうに想像できるものかと不思議に思ってしまいますが、やっぱり、どんな人に対しても、「ごめんね」ではなく、「ありがとう」と伝えることが大切なんですよね。当たり前のことではありますが、改めてそんなことの大切さを、強く感じられるようになりました。

取材・文/武末明子(日経DUAL編集部) 写真/坂齋清