ですが、インフルエンザの一件から、私は、そうしたプライベートなことも、共有するよう心掛けるようになりました。

 例えば、freeeでは、社員のベビーシッター費用を半額負担してくれるんですね。それだけにみんなとしては、なぜ、私が自分がインフルエンザになったわけでもないのに、家族の看病をアウトソースしないのかが理解できないはずなんです。やっぱり、それを分かってもらうには、私の母親としての価値観も共有しなければならないですよね。

 上司であるマネジャーにも相談しました。すると、「仕事のやり方を変えるしかないよね」と言って、タスクを細分化し、持っている仕事を本当に実務レベルまで落とし込むことを提案されました。それによって、いざというときにマネジャーが、その仕事を誰に振るべきか考えられる体制ができるからです。

 こうして担っている仕事を見える化することになったのは、私だけではありません。いつどこで、誰が仕事ができない状況になるのかは分かりませんから、常にチーム全員の仕事を、週一のミーティングで共有するようになりました。こうして母親としての自分の価値観と仕事を、擦り合わせていったのです。

「リモートで頑張ろう」は、自分の達成感のためでしかなかった

 腹を割ってチームで解決策を話し合う中で、休んでいる私にチームが求めていることが「何か」ということも明確になりました。

 インフルエンザで休んでいる間、私は「ここはできるのでやります」と言って、自分にもタスクを残してもらう方法を採ってきました。しかし、実際のところ、昼間に子どもの看病をしている私が、仕事をするのは夜ですから、結果として、日中に働くチームのみんなとはタイムラグが生じて、チーム全体としての仕事の進捗は遅くなっている現状があったのです。チームのメンバーからも、「リモートでやってもらわないほうが楽です」と、はっきり言われました。

 リモートワークで仕事をすることには弊害もあって、それは、家でも仕事ができてしまうから、無理にでもやろうとしてしまうことだと思います。それは結局、休んでいる私の達成感のためでしかないことも多いと思うんですね。

 それに、リモートでのコミュニケーションは、隣にいるのとは違って、普段なら聞けることでも遠慮して聞けないということも頻繁に起こります。共有できる情報量を少しでも増やすためにも、今は、リモートに頼らず、できるだけ出社しようと心掛けています。