いくつもの肩書でキャリアの幅を広げてきた

 その後は、妊娠・出産を挟み、パラレルキャリアに興味のある人たちや、すでにパラレルキャリアを実践している人たちをつなげる、「Think In Move(通称TIMサロン)」というオンラインサロンを立ち上げました。

 TIMサロンのメンバーは、現在、80名程。Facebookの限定グループで、メンバーそれぞれが、パラレルキャリアの実践に向けた毎週の目標を設定し、翌週に振り返りをするということをメインコンテンツとして行っています。

 私はサロンの管理人として、メンバーのコメントに返信をしたり、オフラインイベントの企画運営などを行ったりしているのですが、メンバーの中には、TIMサロンへの参加をきっかけに、自分の世界を広げていく人も少なくありません。例えば、「片付けが好き」というある女性をサロンに誘ったところ、片付けが自分の強みであることに気づき、「整理収納コンサルタント」としてメディアにも取り上げられるようになりました。今では、そのスキルをより生かせる企業に転職して、生き生きと働いています。こうした「人が変わる瞬間」に立ち会えるとき、もっともやりがいを感じますね。

隙間時間を使い倒して時間を捻出

 2019年には、企業と組んで「チーム育児」を広める活動をスタートしました。会社で副業がOKとなったのもこの頃です。かつて、「本業を失ったときの保険」として始めたパラレルキャリアは、こうした活動を通じて私のライフワークとなりました。

 とはいえ、複数の仕事や社会活動を本業や育児と同時並行で行っているわけですから、周囲の人には、「一体、いつ寝ているの?」「どうやって時間をやりくりしているの?」と聞かれることもよくあります。そんなときにはいつも、「隙間時間を使い倒しています」とお伝えしています。

 オンラインサロンへのコメントの返信や投稿なども、基本的には、電車での移動中にすべて行っています。自宅に戻ってからも、家事や育児をしていて数分でも時間ができたら、パラレルキャリアのタスクを整理したり、メールの返信などをしたりしています。最近ではインプットとして、本の要約サイト「flier(フライヤー)」を活用し、移動中のわずかな時間に3冊分のビジネス書の中身を把握してから、読みたい本だけ購入するなどの時短も心掛けています。

 それ以外にも、私は働き方が比較的フレキシブルなので、ランチ後のちょっとした空き時間や中の移動時間をフルに活用しています。最近では、テレワークも可能になったので、通勤時間がなくなった分、自宅で作業できる時間も多く取れるようになりました。