子育てで感じた初めての「孤独」。ワーキングマザーの会を発足

 今ではそうしてできた隙間時間を利用して、自分のやりたいことをやっています。趣味でやっているワーキングマザーの会の運営もその一つです。

 息子が小1になるタイミングで引っ越しをした私は、いわゆる小1の壁に阻まれ孤独を感じていた時期がありました。小学校に入って何も情報がないのに、誰に聞いていいのかもわからなかったんですね。それをきっかけに、習志野市と私の地元である山形でワーキングマザーの会を立ち上げたのです。

 具体的には、イベントを通じて働くママのコミュニティをつくるための仕掛けイベントを開催し、時短レシピや仕事と育児の両立の知恵、今後のキャリアプランなどを共有しています。今は、各地にある同じような趣旨の会と横のつながりもでき、全国ネットワークとして運営しています。

 今でもふと、仕事と育児の両立において「このままでいいのかな?」と思うことはあります。例えば、息子は夏休みも毎日学童に行きます。幸い、楽しく通ってくれていますが、「私が家にいたら、今しかできないことをしてあげられるのかも」と思ったこともありました。

 きっと、この先もこうした揺らぎのようなものは、たびたび出てくるのだと思います。それでも、私が自分の人生を楽しんで、軸となる部分さえぶれていなければ、きっと大丈夫。

 私にとってのぶれない軸とは、「子どもより大事な仕事なんてない」というものです。それに加えて最近では、「自分の選択を正解にしていく」という軸も加わりました。先輩ママの言葉なのですが、すごくいいですよね。

 たくさんの女性たちが正解を求めて悩んでいます。ですが、きっと正解なんてなくて、自分が選んだことを正解にしていくしかないのだと思います。私もこの先、仕事の状況がどう変わっていくのかは分かりませんが、どうなっても、その時々の選択を正解だと信じて、前向きに取り組んでいきたいと思います。

取材・文/武末明子(日経DUAL編集部) 写真/坂齋清