前回に続いて紹介するのは、都内で公務員として働き、その後、熊本県・南小国町に一家で移住した安部千尋さん。現在は、地元の観光・地域商社・人材育成などの窓口を担うSMO南小国で、事業部部長として未来づくり推進事業を担当しています。「下」編では、一家で移住を決めた理由や最大のハードルとなった仕事を、安部さんがどのように解決してきたのかなどをお届けします。

今回のDUALなヒロイン

安部 千尋(あべ ちひろ)さん。1987年生まれの32歳。夫と5歳の息子と共に熊本県阿蘇郡・南小国町で暮らす。

大学卒業後に都内の区役所に勤務するも、育休復帰後の部署異動をきっかけに転職。コーチングやファシリテーター講座などを受講し、環境に左右されない「ポータブルスキル」を磨く。2018年に一般社団法人RCFを経て、一家で南小国町に移住。現在は、SMO南小国の事業部部長として働く。


「住民が誇れる町にしたい」という言葉に心動かされた

 私たちが「南小国町」に移住することになったのは、いくつかの偶然が重なってのことでした。その一つは、東京オリンピックです。私たちは夫婦で人混みが苦手で、オリンピックで都内に人があふれる前にどこかに移住したいと思っていました。ただ、当初は「どこに?」というのは全くのノープランでした。

 そんなとき、たまたま地域と都市部をつなぐマッチングイベント「地域仕掛け人市」で、熊本県・南小国町の役場の方と話す機会がありました。南小国町は、九州中央部に位置する人口4000人程の小さな町で、面積の8割以上が山林原野です。筑後川の源流地ということもあって、清流によるおいしい食材が豊富に採れます。一方、観光資源としては、全国的にも知られる「黒川温泉」などもあって福岡からのアクセスもいい。もともと、仕事で関わりのあった夫から、「南小国はいいところだよ」というのを聞いていましたが、改めて知ると宝の山のような場所でした。

 その後も、東京で行われる南小国町のイベントに通ったり、現地を訪れたりするようになりました。そして、「町民が誇りと自信を持ち、住んでいて幸せと思える町にしたい」という役場の方の言葉に心動かされ、こんなふうに町民のことを考えられる人のいる町に、「何か自分にできることはないか?」と考えるようになりました。

 早速、「南小国町の活動を紹介するイベントを、東京でやりませんか?」と声を掛けたのです。

次ページから読める内容

  • 南小国町のイベントをプロボノで開催
  • 移住直前に、現職のオファーを受け
  • チームワークの促進で、個人では生み出せない成果を
  • ただ移住するのではなく、スキルあっての移住でよかった

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