ストレスがたまったら、車で一人カフェへ

 もともと段取りがよかったなんていうことは全然なくて、脳内シミュレーションで「どうしよう、どうしよう」って日々考えているうちにできるようになっていました。スーパーに寄るときも、事前に献立と買うものを頭の中で決めておいて、5分か10分くらいで目的の売り場をだーっと回ります。

 家にずっといるのが向いていない私にとっては、働いているほうが精神衛生上もいいし、会社員の顔と母親の顔と妻の顔、いろんな仮面を使い分けられることで絶妙にバランスが取れています。とはいっても日々分刻みで動いていると、ストレスがたまってわーっと発散したくなることは年に何回かあります。

 そういうときは一人で車を走らせて、カフェに入って2時間くらい本を読みます。私はお酒を全然飲まないので、一番のストレス解消って、冷静になって色々考えられる自分一人の時間を持つことなんですね

出産後も仕事が続けられることを社内に示せた

 社内で産休、育休を取る人、出産後も仕事に復帰している人は、この数年で増えました。これから産休に入る人、現在産休中の人も合わせると全部で15、6人くらいでしょうか。全社員が180人くらいなので、結構大きな割合を占めています。

 出産を機に辞めるという選択肢はもうほとんどないと思いますし、復帰した人はみんな時短で働いています。私も「復帰できるんですね」とか「時短でも結果を残せるんですね」と言ってもらうことはあって、復帰できるということを姿勢として見せられたのかな、と感じています

 会社としてもこれだけ子育てしながら働く社員が増えたということで、ママたちが集まって「もっと働く環境を良くするためにはどうしたらいいか」ということを話し合うミーティングも定期的に開かれるようになりました。「こういうことで困っているよね」「こういう制度があったらいいよね」といった話し合いの内容を人事がヒアリングして、制度づくりに生かすことが目的です。産休取得第一号ということもあって、私がとりまとめ役みたいなことをやらせてもらっています。

 実際にミーティングで出た意見を反映して、昨年の春から在宅勤務制度が導入されました。あとは、育休からの復帰前に上司と定期的に面談を行い、復帰後の働き方や仕事の要望などを伝えることができるようになったそうです。私のときは休んでいる間に会社がどうなっているかが分からず、たまに職場に顔を出したり、親しい人にメールを出したりして、自分から情報を取りに行くしかなかった。そうした復帰に当たっての不安や気になることを事前に共有できるのは大きいと思います。