語学学校へ直接申し込み、コストを抑えた

 息子の同意も得て、早速ネットで「子ども 留学」などのワードで検索。親子での留学体験コースをあっせんしている会社の情報を集める中で、カナダのカルガリーにある語学学校に目が留まった。

 「もともと、英語圏の国の中でもカナダの人は外国人に対してオープンで温かく接してくれるという評判は聞いていました。トロントなど大都市と比べて自然が豊かで、日本人が少ないことも重視しました」

 学校の経営者が日本人で、ホームステイ先の厳格な審査や選定なども丁寧に行っていること、親が語学学校に通っている間に子どもはサマーキャンプに参加できるコースも選べることが決め手となって、直接依頼。すべてワンストップで頼める点が、多忙な社長業の傍ら準備をする浅井さんにとっては大きなメリットだったそう。

 あっせん会社を通さず、学校に直接申し込んだことで料金も相場と比べて3割ほど安くなった(詳細は下の表を参照)。

■息⼦のサマーキャンプ代、⾃⾝の語学スクール代、ホストファミリー代(光熱費、通信費、3⾷付き)、スクールまでの交通費……各2週間で合わせて約38万円
■航空券……2⼈分の渡航費で約24万円ほど
■ホテル代……0円
■通常⽣活費……約7000円
■その他(お⼟産や観光)……約7万円

 申し込みの段階で、最初の計画よりも大きく変更となったのが渡航期間だ。

 「当初は1週間の予定が、調べていくうちに『せっかくだから2週間行こう』という気持ちが膨らんだのです。さらに夫が『後から合流して現地で観光したい』と言い出して、最終的には“3週間”という社会人になって以来の長い休みを取ることにしました」

 経営者が3週間休むというのは、日本ではめったに聞かないこと。「お客様はどう思うだろうか」という不安もよぎったが、このチャレンジを乗り越えてこそ“本当の働き方改革”につながると腹をくくった

 その日が来るまで、社長が不在でも決裁が滞らない体制を整えていった。

 ――「下」編へ続く。

(文/宮本恵理子)