ひたすらホイップ、ホイップ!

 パウンドケーキ作りに当たって、一番のコツはバターと卵を室温(20度前後)に戻すこと。バターは指で押したら、すっと入るほど柔らかくなってから扱うこと。卵もあらかじめ冷蔵庫から出しておく。バターと水分が多い卵を混ぜて乳化させるには、同じくらいの温度であることが大事だ。バターと砂糖をヘラですり合わせるのは次男もスムーズにできていた。よくすり合わせたらホイッパーで、もったりして白っぽくなるまで混ぜる。しかし、これがうまくできない。力ばかり入ってしまい、すぐに腕が疲れてギブアップ。バターも飛び散ってしまう始末。

力が入り過ぎで、ホイッパーをくるくる回しているだけの状態に
力が入り過ぎで、ホイッパーをくるくる回しているだけの状態に

 「ホイッパーは軽く握り、親指、人さし指、薬指の3本で支える感じかな。ボウルは少し横に傾け、手首のスナップでホイッパーをたたきつけるようにするといいよ」

 空気を含ませるのがホイップする目的なので、それを意識しながらね。「ドラムのスティックも強く握らないし、肩の力も抜いてたたくんじゃないの?」と言ったら、何となくコツがつかめたようだ。溶き卵を少しずつ加えてホイップを続ける。パウンドケーキはひたすらホイップするのがキモなのだ。途中、一度分離しかけたけれど、薄力粉を少量加えることでこのトラブルも無事にクリア。経験からいえば、実はこの分離するかしないかの境目が、バターと卵の理想の配分だと思う。こればかりは何度もやってみないと分からない。料理の数量化できない部分ですね。

次男が苦戦する様子を見かねて、カメラ、イラスト担当の長男も参加。卵を入れるとまた難しくなる
次男が苦戦する様子を見かねて、カメラ、イラスト担当の長男も参加。卵を入れるとまた難しくなる

 後はふるった薄力粉を混ぜてざっくり混ぜたら、ラム酒に漬けたレーズンと、ローストしたクルミを加える。粉っぽさがなくなるよう、さらに混ぜ合わせ、型に流し込んでいく。170度くらいに予熱したオーブンに入れて40分前後。この間に使った道具をきれいにして焼き上がりを待つ。ここも肝心なところなので、息子たちにしっかりやらせました。

タネが完成。クルミはたっぷり、いい感じだ
タネが完成。クルミはたっぷり、いい感じだ