「肉を焼くのは男の仕事だ」、などと言うつもりは全くないが、ウチでステーキを焼くのは、例外なく父ちゃんの役目。人類最初の料理は焼き肉だー! 「肉がおいしく焼けるようになることは、男も女もモテるための必須条件」などとあおりつつ、父・小栗雅裕さんが講師となった、マンツーマンの親子料理教室の開催です。

肉を焼くのは時間が勝負

曇った眼鏡の奥の目は真剣です(イラスト/小栗千隼)
曇った眼鏡の奥の目は真剣です(イラスト/小栗千隼)

 今回は肉の焼き方をやるよ! と言ったら、「もちろん試食するんだよね」と次男。やる気満々で手を挙げてくれた。日経DUAL読者は既にご存じかもしれませんが、かなりの食いしん坊です。

 わが家の料理責任者としては、息子たちに教えたい料理は山ほどある。が、まずは肉だね。それもステーキ! そもそもウチではずっと、肉ブームだし。

 「さて、おいしく肉を焼くには、材料選びや焼く前の準備にも気を使わねばならない。そして、いったん焼き始めれば、刻一刻と変化する肉の様子に合わせて、スピードやタイミングも考えながら、瞬時に判断して対処するスキルが必要となる。煮込み料理やオーブン料理なんて、ステーキがうまく焼けるようになれば、余裕でできるようになる。シンプルなだけに差が出てしまうのが“肉を焼く”という料理法なのだ

 …と、こんな前説を兄弟の前で述べてみたが、既に食べることしか考えてない様子。

 肉といっても、身近なものではチキン、ポーク、ビーフとある。もちろん焼き方はそれぞれ違う。チキンは常に弱火でじっくり、ポークは強火の後、弱火で蓋をして焼くのがウチのやり方。そして今回はビーフステーキ。といっても、うちでステーキ丼と呼んでいるホームパーティーのシメでいただくごはんです。焼いたステーキを切り分けて小ドンブリにするので、リーズナブルに味わえておすすめ。実際の手順通りに紹介するので、日経DUAL読者の皆さんもぜひ作ってみてください。