もうすぐ8歳になる娘さんと5歳の息子さんの2児の母でもある、料理研究家の中村陽子さん。自身の子育て経験を生かし、忙しいママでも簡単にできる、見た目もかわいい「ちょいデコごはん」など、“子どもがつい食べたくなる”レシピを多数紹介されています。今回は2人のお子さんも大好きだという、見た目もキュートなかぼちゃ味ときなこ味のフィンガークッキーを教えていただきます!

材料の計量から子どもにお任せ! 失敗しても大丈夫なお菓子しか作らない

日経DUAL編集部(以下、――) リビングとダイニングの真ん中に大きなキッチンがあって、とってもすてきですね。ご家族で楽しくお料理ができそうです。

子どもと一緒に楽しく料理を作る、親子クッキングのレシピも人気の料理研究家・中村陽子さん
子どもと一緒に楽しく料理を作る、親子クッキングのレシピも人気の料理研究家・中村陽子さん

中村さん(以下、敬称略) ありがとうございます。9年前に家を建てたんですが、いずれ子どもが生まれて大きくなったら、家族皆がキッチンに集まって、一緒に料理をしたり、おしゃべりしたりできたらいいなと思って、家の中心にキッチンを配置したんです。娘も息子も食いしん坊なので、学校や保育園から帰ると一目散にキッチンに、おやつを探しに来ます(笑)。

―― かわいらしいですね。お子さんたちとも一緒におやつ作りをされるんですか?

中村 はい。2人ともクッキーが大好きなのでよく一緒に作ります。今回ご紹介する、かぼちゃ味ときなこ味のフィンガークッキーは2人の大好物で、娘は材料の計量から生地を混ぜて成形するところまで一人でできるので、任せてしまっています。卵も牛乳も使わず、材料が最小限で済むだけでなく、生地を寝かせる必要も、打ち粉をして生地を麺棒で伸ばして型抜きする…といった手間をかける必要もありません。とにかく手軽に作れておいしいので、ぜひ、読者の皆さんもお子さんと一緒に作っていただきたいですね。

―― お菓子作りは計量が大切という先入観があるので、計量からお子さんに任せていると伺って驚きました。

中村 確かに、計量は大切なのですが、このクッキーはそれほど厳密に測らなくても失敗せずに作ることができます。例えば粉類を多く入れてしまったら、後からちょっと牛乳を足して調整すればOK。子どもと一緒のおやつ作りは、このレシピのように、多少計量を間違えても後から調整できるような、簡単でシンプルなものを作るのがオススメですね。

―― 後から調整できるなら、安心して子どもが作るのを見守れますね。

中村 はい。さらに付け加えると、分量だけでなく、形や大きさもそれほど厳密でなくても大丈夫です。私自身、以前は、子どもが作業していると細かいところまで気になってしまって、「もっとちゃんと作って!」とか、「大き過ぎる(小さ過ぎる)」「形がおかしいよ!」とかダメ出ししていたんですが、そうすると私も子どもも疲れてきて、だんだん嫌になってきちゃったんですね。それって違うなと思ったので、ダメ出しするのはやめて自由に作ってもらうようにしたら、子どもたちが独創性を発揮し始めました。アニメ映画の『風の谷のナウシカ』に出てくる「オーム」など、私が想像もつかないような形のクッキーを作るようになったのです(笑)。大き過ぎたり、小さ過ぎたりしても、オーブンで焼く時間で調整すればいい。焼けたものから先に取り出せば、何の問題もないことに気が付きました。

―― 自由に作ってもらうと感性が豊かになり、創造力が磨かれるのですね! それでは早速、子どもたちが大好きでよく作られるというフィンガークッキーの作り方を教えてください。

見た目がキュートで、つい手を伸ばしたくなる、かぼちゃ味ときなこ味のフィンガークッキー
見た目がキュートで、つい手を伸ばしたくなる、かぼちゃ味ときなこ味のフィンガークッキー