依頼者にとって家事だけでなく、心強い味方でありたい

Yo-ko 実はうちではそんなに品数を作るほうではなくてですね(笑)。週1回はカレーですし、凝った料理は作らないんですけど、このお仕事を始めてから忙しくなってきたので自分でも作り置きしてみたら、すごく楽でした。夕方仕事が終わって電車に乗るときに、「今日はあのおかずがあるから助かった~」と、帰りの足取りが全然違うんですね。きっと依頼者の方もこんな気持ちなんだろうなとよく分かりました。それからは家でもたまに作るようになりましたね。

―― 仕事後に夕飯のことを考えなくていいというのが、どれだけ助かるか……。しかもプロの作り置き料理が待っているとしたら、すぐ家に帰りたくなります。

Yo-ko 私としては毎日、主婦としてやっていた家事が仕事になるなんて思っていなかったので、自分でも驚いています。

―― 家事力は大きなスキルですよ。Yo-koさんがこのお仕事を始めたキッカケというのは?

Yo-ko 給食の仕事を続けていて、ふとこの先どうしようかなと考えていたときにテレビでタスカジのことを知ったんですね。ちょうど2年前で世の中的にも家事代行の仕事が注目され始めたときで、「そういう仕事もあるんだ!」と可能性が広がって。登録した当初は家事全般を担当していましたが、作り置き料理のリピートが増えてきたことで、今は作り置き中心でお仕事させてもらっています。

―― 依頼者にとっては家事の心強い味方になっているんじゃないでしょうか。ベテランママだけに子育ての相談とかもするんですか?

「家事だけでなく、子育ての悩みもお聞きすることも。ママたちの心の味方でいたいですね」とYo-koさん
「家事だけでなく、子育ての悩みもお聞きすることも。ママたちの心の味方でいたいですね」とYo-koさん

Yo-ko そうですね。なかなかゆっくりはお話できませんが、たまにお会いしたときなどに「子育てっていつが一番大変でしたか?」などと、育児について聞かれることもあります。それからお子さんに「たくさん野菜を食べさせなきゃ!」と思われている方も多いので、「大丈夫ですよ。そんなに食べなくても健康に育ちますから!」と安心させてあげることもあります。でも、野菜の調理って案外下処理に時間がかかったり、子どもに食べさせるのに工夫が要ったりするので、ママたちも日々一苦労だと思うんです。家事代行だからこそ、この機会においしい野菜料理を作って、ママたちの労力と心の負担を減らしてあげたらなとも思っています。

―― 家事代行は、それぞれ家庭の家事を含めた“心のパートナー”としての役割も果たしているんですね。

Yo-ko そうありたいですね。ただ、私としてはそんなに肩に力を入れてやっているわけでもなくて、単純にこの仕事が楽しいんですね。普段、自分が何気なくやってきたことが、相手にすごく喜んでもらえたり、感謝されたりするので、さらにレパートリーを増やして腕を磨いていきたいと思っています。

(文/伯耆原良子 写真/吉澤咲子)