性格によって効果的な叱り方がある

 例えば、「快活で人への関心が高いタイプ」には、ちゃんと何が悪かったのか理解しているという前提で、叱るときには強過ぎる言葉を使わないことがとても大切です。「クールでマイペースなタイプ」には、親の話を聞ける体制になっているかどうかを確認してから、諭しましょう。

 本能的に人と比較してしまうのも女の子の特徴です。色々な場面で「正しいか、正しくないか」「できているか、できていないか」をすごく意識していますし、「お友達の家がこうだから~」「あの子が~しているから、欲しい、着たい、食べたい」など主張することも多く、本当に周りをよく見ています。

 さらに、発達心理学の観点では、子どもには同性の親に対するライバル心を持つ時期があるため、女の子はママへの注目度がどうしても高くなります。きれいでかわいいママでいてほしいけれど、自分だって一番でいたいと、ちょっとライバル心が出てきたりもします。

 感情が高ぶっているときに、ママに感情的に注意されたりすると、言い負かさないと気が済まなくなったりしますが、その気持ちは、できることなら経験しなくてもよいことです。少し落ち着くのを待ってから話をするといいですね。

 そして、叱った後は、長引かせないように、あっさりと「はい、おしまい」と言って終了しましょう。くどくどと長引かせると、「ママだって……」と話をすり替えて怒りを発散しようとしたり、不安から余計なことを言ってしまったり、後々まで引きずることになってしまいます。

 それらを踏まえ、もし女の子が、ママに意地悪なことを言ったり、反抗的な態度を取ったりしたときには、パパに叱ってもらえるようにしておくと、家族がうまく機能していきます。

 普段ママが、パパの悪口などを言っていると、子どもはどこかで自分の半身を否定されている気持ちになりますし、いざというときに、お子さんはパパの言うことを聞かなくなってしまいます。パパに「僕の大事なパートナー(ママ)にそういう言い方はしないでくれるかな」と叱ってもらえるように、普段からパパとママはかけがえのないパートナーであり、そこに子どもたちがいる、という家族の関係性を大切にしておきたいですね。

優等生タイプは家でのびのび心を解放させてあげて

 「周囲からも評判のいい優等生なんだけど、いい子過ぎて逆に思春期が心配」というタイプの女の子は、特に幼児期や小学生の間は、おうちでの生活までがんじがらめにならないように気を付けたいですね。

 女の子は社会性の発達が早く、第三者からどう見られているのか意識できるタイプのお子さんは、無意識のうちに親の期待に応えようと自分でハードルを上げていってしまいます。外できちんとしているお子さんは特に、勉強やお稽古の練習以外はぼーっと過ごしてみたり、親子でふざけあったり、ニコニコと笑顔で解放される時間を増やしたいですね。どうしても厳しくしてしまうという人は、自分の趣味に打ち込むなど、必然的に子どもを見ないようにする時間をつくるようにするとコントロールできます。

 最後に、女の子は、所作によって損することのないように、TPOを考えてきちんと振る舞えるようにしていけるといいですね。

 女の子が所作を意識できるようになるきっかけの一つが、髪の毛をきちんと整えることです。きちんとくしやブラシでとかしたり、髪の長い女の子は、三つ編みや編み込みをしてあげたりするだけでも、意識が変わるきっかけになったりします。朝はお忙しいとは思いますが、余裕のあるときにそんなところからトライしてみるのもおすすめです。

 また、大人の女性と会話をしたり、接したりする機会をたくさん持つことも良い影響を与えます。言葉遣いや所作から、「あの人すてきだな」ということをよく感じ取っているのが女の子ですから、そういう出会いを意識して作ってあげるとよいでしょう。

 女の子の子育ては、男の子とは違った意味で親自身が鍛えられます。4、5歳になると大人と互角にお話しできるような口がたつ女の子も多いため、ついついこちらの言葉遣いもきつくなりがちですが、優しい言い方で承認していくと子ども自身も穏やかに育ちます。

 大人になってからも、親と楽しい時間を共有できるのが女の子ですから、今から信頼関係を築いて楽しい時間を増やしていきましょう。