「生活習慣の違い」もすれ違いの要因に

 そんな状況や精神状態の中、子育て期の家族にとって、乗り越えなくてはいけない課題として最初に立ちはだかるのが「生活習慣のすり合わせ」です。

 恋人同士のときには見えなかった「生活」が、家族になることで見えるようになります。夫婦二人の時代には目をつぶっていたことも、「子どものしつけ」というミッションの出現で、直面せざるを得ないでしょう。お互いの親に教えてもらったこれまでの生活習慣を一つ一つ話し合い、新たな家族の習慣やルールとして塗り替えていくことが必要になります。

 「新しい家族として新たにルールを作っていく」という前提に立っていないと、無意識のうちに相手の実家のルールを否定することになり、ケンカになることが増えてしまいます。

 特にママは、これまで女の子として、ご自身のしつけに注目されることが多かったため、どうしてもお子さんのしつけについても意識することが多くなりがちです。そのため、自分の習慣のほうが正しいと思い、自分とは違った習慣を持つパパに腹を立てたりすることも増えてしまうのですが、パパのほうは、そんなママの気持ちを知ってか知らずか、のんきに過ごしていたりします。

 生活習慣の違いが原因なのに、相手の性格のせいにして腹を立てていませんか? そんなときには、「子どもにどういうしつけをしていきたいのか」という視点を忘れずに、話し合いをしていきましょう。

 例えば、パパがソファで寝転んでダラダラすることにストレスを感じるママは、ついつい「なんでそんなにダラダラするの?」と、とげとげしく言ってしまうことがあるかもしれません。そういうとき「子どもはすぐにまねしてしまうから、そういうふうに寝転ぶのは子どもがいないときにしてくれるかな」と穏やかに言ってみてはどうでしょうか。

 お互いに折り合いをつけられる着地点を探していけるとケンカになりません。育った環境が違うのだから、生活習慣も違って当たり前。その「違い」を怒りではなく笑いに変えて、楽しめるぐらい、お互い余裕が持てるといいですよね。