全く問題がない“完璧”な家庭はありません。子どもの成長とともに訪れる課題に全員が「チーム」として取り組み、自分たちらしい家族を形成すること――それが「ファミリー・ビルディング」の考え方です。幼児教育を通して6000人以上の子どもと接し、数多くの家庭をコンサルティングしてきた山本直美さんが、悩めるデュアラー世代へアドバイスします。今回のテーマは、「家族の予定やto doの見える化」。子どもが先のことを自分で考えて計画的に行動するためのTIPSや、家族のスムーズなコミュニケーションを助けるカレンダー使いなど、「見える化」のメリットとノウハウを山本直美さんがアドバイスします。

◆山本直美さんの連載「親だってわかんないときもあるさ」も併せてお読みください!◆
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視覚優位な幼児期の子どもには先々の予定を「見える化」する

 こんにちは。チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。

 10月に入り、まだまだ汗ばむ気温の日もありますが、ようやく秋らしい気候になってきました。お天気のよい週末には、近所の公園で遊ぶのも気持ちいいでしょうし、紅葉狩りや、フルーツ狩りなどに出かけるのも楽しそうですね。

 パパやママが「今週末はあんなことしよう」「今月はここへ出かけよう」と計画したことを、お子さんと共有していますか? 子どもたちがもっと楽しみにできるように、家族の予定はカレンダーに記入して、みんなが見える所に貼っておくのがおすすめです。

 発達の面から見ると、幼児期の子どもたちは、様々な感覚の中でも特に「視覚優位」となっています。そのため、やることを「見える化」しておくと頭の中にイメージが湧き、動きやすくなります。

 例えば、保育園や幼稚園ではお当番表があり、翌日のお当番が誰なのかを前日に発表して貼っておきます。すると、名前を貼ってもらった子どもはみんな、翌日への意欲が湧き、とてもうれしそうにしています。お当番をしたくない子はいないのでしょうね。たまに、お当番ではないのに、前に出たがる子どももいるくらいです。そんな様子を見ていると、子どもは本当にやる気に満ちていて、「人の役に立ちたい!」「人に認められたい!」という欲求があり、それを満たしたいのだなと思います。

 そんなふうに先の予定を「見える化」することで、子どもたちはその予定をより楽しめるようになります。ご家庭でも、週末だけでなく平日の家族それぞれの予定も「見える化」し、お互いに自分でカレンダーを見てスケジュールを確認できるようにしてみてください。すると、「あなたの予定は◯◯よ、ママは◯◯だからね」と、その都度リマインドしなくてもよくなります。きょうだいの多いご家庭は、このリマインドにたくさんの時間を費やしているでしょうから、特におすすめです。

 市販のカレンダーに手書きで記入してもよいですし、ホワイトボードにマグネットを貼って手作りカレンダーを作ってみるのもいいかもしれません。今はカレンダーアプリも色々ありますので、それを活用して簡単に作成するのもいいですね。

カレンダーに予定を書き込もう
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