「やめたい」と言われたらどうする?

 「子どもが習い事をやめたいと言い出したのですが、どうしたらよいでしょうか?」というのもよくあるご質問です。親は常に楽しく自分から進んで通ってほしい、と思いがちですが、子どもの気持ちにはムラがあるものです。

 まず、習い事を始めるときには、期間や目標をきちんと決めること。ピアノなら「~~が弾けるようになるまではやめない」、水泳なら「クロールが泳げるようになるまではやめない」などというように、親子で「ここまではやめない」ことを約束してからスタートしましょう。途中でやめたい気持ちになることもあるかもしれませんが、初めに立てた目標まで続けているうちに、弾いてみたい曲に出会ったり、新たな目標が見つかったりして、続けられることもあります。

 子どものレベルに合わせて先生を変えることも、時には必要になるかもしれません。やめることはいつでもできますが、後で振り返ってみると、あのときやめていたらこれはできるようにならなかったな、ということもたくさんあります。親はあの手この手で継続できるようにサポートしていきましょう。

 ただ、小学生になると、興味・関心も変わってきます。「サッカーをやっていたけれど、少人数のフットサルに興味が湧いた」「ラグビーをやっていたけど、アメフトをやりたくなった」ということがあるかもしれません。そのときには、親子でよく話し合い、転向することを考えてもよいかもしれません。

子ども自身が「習い事の目的」を理解し納得していることが大前提

 習い事に通わせるに当たって、「ぜんそくがあるので、水泳をやって身体を鍛えたい」「夏休みには期間が長めのキャンプに行かせたい」などと親の思惑があり、ついつい「何をやらせるか」ということに集中してしまいがちです。

 でも、一番大切にしてほしいのは「なぜ水泳をやってほしいのか」「なぜ、キャンプに行ってほしいのか」ということをお子さんにきちんと話し、お子さんが自分自身のこととして納得し、やる気をもって通えるようにしておくこと。そうしないと、せっかくの機会が、お子さんにとっては「親にやらされている」というネガティブなイメージになってしまいますね。

 どんな習い事でも、一番プラスになる経験とは「度胸がつくこと」ではないでしょうか。試合や舞台でみんなに見られる、人に評価される、という経験をすると、大人も子どもも度胸がつきます。ピアノなら発表会で演奏する、茶道ならお点前を披露する、スポーツなら試合で緊張するなど、親子でドキドキすることも、お子さんが小さいときにしかなかなかできない貴重な経験です。ぜひ、じっくり選んだ習い事を親子で一緒に楽しんでほしいと思います。