これからの教育は親世代のものと全く違う

炭谷 大きく変わるのは評価法ですね。これまでは、ペーパーテストで知識や暗記力をチェックして、一つの正解を当てられる力を点数化していましたが、それは一面的評価として否定され、「もっと多面的に子どもを見ましょう」という方針が打ち出されています。ペーパーテストの点数以外にも、課外活動でどんなリーダーシップをとり、どんな意見を言ったのかも見なさいと。

駒崎 ペーパーテストでは測定できない評価もしなさいということですね。

炭谷 それから、教え方も変わっていきます。これまでは一つの正解を覚えさせる教え方でしたが、「主体的」をうたう教育は、子どもが主体となって自分で考えて発言させるという教育への変更を意味します。「対話的」というのは、先生から生徒への一方通行ではなく、双方向の意見交換を促すということ。これからは教科書で決められた枠を超えた学習が幅広く促進されていくと思います。

駒崎 いい流れですね。「探究型」という言葉も文科省は使っているんですか?

炭谷 使っています。コンセプトが180度とまではいかなくとも、かなり変わった印象です。

駒崎 僕たちが今まで受けてきた教育はなんだったのか?!と突っ込みたくもなりますが(笑)。めっちゃ年号とか覚えたのは無駄だったのでしょうか。

炭谷 それも意味はあったと思いますよ。それが求められる時代があったということです。文科省の資料にも明記されていますが、すでに到来しているAI時代には機械的な作業はすべてコンピューターが受け持つので、暗記のような受け身的学習の重要度は下がっていく。これからは、より人間的な感情や感性、コミュニケーション力を豊かに育てることが大事であると。とてもまっとうなことがきちんと書かれていると思います。

駒崎 では、僕たちの子どもたちが受ける教育は、僕たちや僕たちの親世代が受けてきた教育とは全く違うという前提を知っておかなければいけませんね。

炭谷 そうですね。徐々に色々と発表されていますが、2020年から根本的に全部変わります。

駒崎 大学受験のパラダイムも変わっていくのでしょうか? いわゆる偏差値の高い大学に入ったら安心、という常識が長らく共有されてきましたが。