オリエンタルラジオ・中田敦彦さんに、子育てや夫婦関係などを語ってもらう本連載。妻はタレントの福田萌さんで、4歳の娘と0歳の息子のいる2児のパパです。今回は、中田さんのビジネスにおける考えに迫ります。「テレビとネットの狭間世代」という35歳の中田さん。昨年ブームを巻き起こした『PERFECT HUMAN』のヒットの背景にあった、狭間世代ならではのビジネス戦略とは。小学生のなりたい職業ナンバーワンといわれる、ユーチューバーへの独自の見解も読みどころです

時代は確実に動いているし、時代が変われば正解も変わる

 DUAL世代の皆さん、時代の流れやニーズはつかめていますか? 大人になるほど新しいものに対して抵抗感を抱きがち。でも、時代は確実に動いています。時代が変われば正解も変わるし、価値観も更新されます。変化には敏感でいたい。新しいものを受け入れる姿勢を持ち続けたいとも思っています。

 タレント界での話をすると、ウェブメディアの影響力が大きくなるなか、自分はテレビとネットの狭間世代です。ウェブメディアが新大陸で、テレビを中心としたメディアが旧大陸とすると、大学在学中にデビューした僕は、旧大陸でずっと闘ってきました。上の世代は活躍しているし、下からも若手がどんどん入ってくる。そんな世界でした。

 ところがある時期から、「毎年新しい船が来てはその船に乗る者たちと闘ってきたけれど、最近新しい船の数が減っていないか?」と感じるようになりました。

 目を凝らして隣の大陸を見てみると、そこには才能のある若者たちがびっしり集まり、賑わっていました。新大陸にいる若者とはネット発のスター、つまりはユーチューバーたちです。

 YouTube時代に突入したのは、5年ほど前でしょうか。ヒットのバロメーターがCD売り上げによるオリコンランキングだったのに対し、YouTubeによる動画再生回数に変わりました。そんななか台頭してきたのが、自ら映像を作って配信するクリエイターたち、ユーチューバーです。

 ユーチューバーは、今や10代以下にとってはカリスマ的存在です。若年層への拡散力が強くてものすごくたくさんの人とお金を動かせるから、企業はこぞって人気ユーチューバーをスポンサードしています。有名どころのトップユーチューバーは、ヒューマンビートボックスの動画を機に世界からも注目されるHIKAKINでしょう。日本におけるユーチューバーの象徴です。

 小学生が憧れる人気の職業ともいわれ、大人も気になる存在だと思います。ところが、ユーチューバーのほとんどはテレビに出ませんし、見えない大人にはまだまだ謎のままです。