子どもが将来ユーチューバーになりたいと言ったら?

 「人気ユーチューバーになりたい!」。お子さんがそんなふうに将来の夢を語ったら、否定的に思う方が多いでしょうか。

 僕はそうは思いません。

 現在のトップユーチューバーのなかには、Fischer’s(フィッシャーズ)や東海オンエアのように、リーダーを中心として、コンビ以上の人数でユニット名をつけて活動する集団がいます。彼らは、かつてならお笑い業界の門を叩いたような若者です。お笑いをやりたくて、合理的な判断をしたうえでYouTubeという場所を選んでいます。

 「早く世に出るにはどうしたらいいのか」と考えた結果、今の時代は、自分たちで映像を作って自ら発信してしまうのが一番早くて効果があると気づいたのでしょう。ユーチューバーとして活躍する若者たちのインタビューを聞いていると、NSC(吉本総合芸能学院)の門を叩いた十数年前の自分と重なります。

 ちなみに、YouTubeによる収入は再生回数などによる広告料です。自分たちは、音楽&ダンスユニット・RADIO FISHによる楽曲『PERFECT HUMAN』によって、1億回再生(※)を得ました(※ショートバージョン、ロングバージョン2本の動画で再生回数は各5000万回超)。日本で1億回再生を超えている楽曲は、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』をはじめ20曲ほどしかありません。

 一方で、例えばトップユーチューバーであるFischer’sならば、彼らは毎日動画をアップしています。その動画1本当たりの再生回数は、100万回を超えています。つまりは、月に3000万回以上の再生回数を稼いでいることになり、3カ月半で『PERFECT HUMAN』現象と同じことを起こしているわけです。それもコンスタントに。

 人気タレントを目指す場合、これまではテレビに出ることでした。ところが、今のテレビで元気があるのは、もう何年も前にブレイクしたメンバーがほとんどです。視聴者のメーンターゲットもアラフォー以上です。そんなテレビ業界を見た若者たちが、旧大陸に新規参入しようと思わないのは当然でしょう。

 頭の回るヤツほど、HIKAKINやはじめしゃちょーを見て、新大陸の覇者を目指すのです。人気ユーチューバーは、生命力と分析力があるのです