何が問題だったの?と、今だったら思う

 復帰前は忙しい中でいかに家事を回すか、というテクニカルな情報ばかり耳にしていましたが、本当に大変だったのは、仕事と育児の両立を中途半端に感じてしまう自分の考えを改めることでした。

 子育てしつつフルタイムでバリバリ働いている人がいる、一方で専業主婦として家事や育児を全力でこなしている人がいる…なのに自分はどっちも中途半端。家事を完璧にこなすわけでもなく、仕事も毎日フルタイムでやっているわけじゃない。

 このモヤモヤ、みんなどうやって乗り越えているんだろう?とロールモデルを探しても、自分にピッタリと状況が重なる人なんていないんですよね

 何となく自分は輝けていない気がして、悶々と悩んでいたあのころ。今思えば、一体何が問題だったのでしょうか。子育ても仕事も自分なりにバランスが取れていればそれで良く、バリバリワーママになる必要も、完璧ママになる必要も無かったというのに。

 一つ山を登ると、より高い山が見えて「自分はまだまだだな」と思ってしまう。その考え方を改めないと、いつまでたっても中途半端な気持ちは消えないのだと思い知りました。

 これから子どもが成長するにつれて、子育ての状況もどんどん変わっていくと思います。小学校のPTAがどうとか、思春期の付き合いかたがどうとか、この先心配になるような情報も見聞きします。

 でも、それが本当に自分の身に起こるかどうかは分からない。まだまだ道のりは長いですが、あまり構え過ぎず、子育てを柔軟に楽しんでいきたいと思っています。

 あ、そういえば、この連載の最初に書いたのが「母乳育児問題」でした。当時は完全母乳にこだわり過ぎておっぱいノイローゼになったという話を書きましたが、実は卒乳のタイミングを逃し、3年経った現在も絶賛授乳中です。

 2歳になると自然にやめてくれると複数のママ友から聞いていたのですが、そんなことありませんでした。これも、やっぱり聞いてた話と違うなぁ。

 というわけで、毎回この連載は寝かしつけの後に乳を放り出しながら書いている感じでした。いつか読み返しながら「あのころ、おっぱい出しながら書いてたなぁ」と懐かしみたいと思います。

 とても良い思い出になりました。お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。