【評価3】銀座線2番線以外への乗り換えには地上に出る必要あり

【子連れ視点で乗り換えをチェック!】☆☆☆半

●銀座線2番線ホームへの乗り換えはスムーズ
●銀座線1番線ホームへは地上を経由するため10分以上かかる。エレベーターが見つけにくい
●大江戸線への乗り換えは約10分だが、大通りを2度横断する必要あり

 乗り換えは20点満点中14点、星は3つ半という結果に。

 点数上ではそこまで不便な印象を受けませんが、階段が多くベビーカーや車椅子では直線的な移動ができないため、実際に利用してみると、歯がゆさがあります。

 同じ鉄道会社への乗り換えは東京メトロ銀座線、異なる鉄道会社への乗り換えは都営地下鉄大江戸線となります。銀座線への乗り換えは、1番線へ行くか2番線へ行くかによって難易度にかなり差がありました。

 銀座線の2番線ホーム(浅草方面)へは、半蔵門線の改札内にあるエレベーターを使って乗り換えが可能です。改札のすぐ近くにエレベーターがあるため、簡単に乗り換えることができます。

 1番線ホーム(渋谷方面)に向かうには、2番出入り口から出てエレベーターで地上へ上がり、大通りを挟んだ向かいにある青山ツインタワーのオフィスエレベーターを経由して、地下街を通った先にある4番出入り口から入る必要があります。実際にベビーカーを押しながら歩いたところ約13分かかりました。銀座線の2番線へ向かうエレベーターで2番線ホームへ一度出た後、階段を使って向かい側にある1番線ホームへ移動できるので、ベビーカーをたたむか、駅員さんに協力してもらって階段を越えることを検討してもいいかもしれません。

 次の表参道駅なら、渋谷方面の半蔵門線と銀座線はホームを挟んで向かい合わせになっています。乗り換えは表参道駅を利用するのが現実的でしょう。

 都営地下鉄大江戸線へ段差を通らず乗り換えるには、2番出入り口からエレベーターで一度地上に出て大通りを2回横断します。横断歩道を渡り切って少し直進し、右手に見えてくる5番出入り口・大江戸線側のエレベーターを2回乗り継げば、大江戸線の改札に到着します。さほど歩きませんが、エレベーターや信号待ちでタイムロスするため、乗り換えにかかった時間は約10分でした。

 銀座線の2番線以外に乗り換える際は、時間にかなり余裕を持って行動するのがよいでしょう。

5番出入り口からの景色。右斜め前に見える交番の近くに2番出入り口が設置されている。向かいの1番出入り口は工事のため閉鎖中
5番出入り口からの景色。右斜め前に見える交番の近くに2番出入り口が設置されている。向かいの1番出入り口は工事のため閉鎖中
オフィスビル「青山ツインタワー」の入り口。入ってすぐ左手に4基設置されているエレベーターを使用して地下へ行き、長い地下街を抜けると4番出入り口につながる
オフィスビル「青山ツインタワー」の入り口。入ってすぐ左手に4基設置されているエレベーターを使用して地下へ行き、長い地下街を抜けると4番出入り口につながる

【評価4】スロープなどの配慮はあり。ホームは擦れ違いに注意が必要

【子連れ視点でバリアフリー度をチェック!】☆☆☆☆半

●スロープ設置など段差へのフォローは多い
●ホームドアが設置されていて安心だが、狭くて擦れ違いづらいエリアも

 バリアフリー度は20点中18点、星は4つ半となりました。

 半蔵門線だけを見ると段差も少なく、ホームドアも設置されており、高得点を獲得した本項目。

 乗り換えの移動には大きな階段を使う場合があるものの、小階段や段差などは見当たらず、少しでも高低差があるところはスロープやエレベーターの設置があるのはうれしいポイントです。

 ホームは見たところ広く感じますが、柱やエスカレーターなどによって所々狭くなっているため、ベビーカーで移動する際には並んでいる人に声をかけて避けてもらったり、擦れ違う人に待ってもらったりする必要があります。改札階へ上がるエレベーターがホーム端寄りにあるため、降りる場所によってはホームの端から端まで移動しなければいけないことも。移動距離が短くて済むように、事前に乗り降りする位置を把握しておくとスムーズです。

 東京メトロによると、半蔵門線青山一丁目駅を運行する東京メトロの編成にはすべてベビーカー・車椅子スペースが設置されており、2021年度導入開始予定の新型車両では、1編成全車両へのフリースペースの導入を進めているとのこと。しかし、直通運転を行っている東急田園都市線の車両には一部ベビーカースペースの設置がない編成もあるため、乗車の際は注意が必要です。

 また、2019年8月から東京メトロではベビーメトロというベビーカー向けのルート案内サービスを展開しています。東京メトロ内の各駅のエレベーターを使って乗り換えの可否や、オムツ替えスペースの有無などがチェックできるようになっています。おでかけの際にチェックできて便利です。

半蔵門線青山一丁目のホーム。ホームドアがあり広めの空間もあるが、移動には狭い通路を通らなくてはならないところも
半蔵門線青山一丁目のホーム。ホームドアがあり広めの空間もあるが、移動には狭い通路を通らなくてはならないところも

【総合評価】トイレや乗り換えなどベビーカーユーザーにはやや難あり

東京メトロ半蔵門線青山一丁目駅(調査日:2019年11月)
東京メトロ半蔵門線青山一丁目駅(調査日:2019年11月)

 東京メトロ半蔵門線青山一丁目駅は71点、星3つ半という成績でした。

 移動先が見えているのに階段があるため直線移動ができない、どこの出入り口からどこにつながっているかが分かりづらい、という地下駅ならではの使いづらさが目立ちました。さらに、改装工事によって一部の出入り口が不定期に通行止めになっているところもありました。今回の取材時には1番出入り口が閉鎖していました。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控えた国立競技場にもほど近い青山一丁目駅。改装予定を東京メトロに問い合わせたところ、「現在、東京2020大会までの完成を目指し、1番出入り口付近でのエレベーター工事(20人乗り2基)の他、既存の場所とは別の場所にトイレを新設するなどの改装工事を予定しています」とのことです。

 来年度の改装後は、混雑時でも訪れやすい駅になっていることを期待します。