小田急線下北沢駅　子連れに優しい駅にリニューアル

小田急電鉄小田原線下北沢駅（調査日：2019年5月）

　下北沢駅の評価は星5つの97点。なんと、前回のりんかい線国際展示場駅と並んで過去最高得点となりました。

　下北沢駅は、地上が改札階、B1階が各駅停車などのホーム、B2階が急行などが止まるホームという構造。これだけ聞くと複雑そうな印象を受けますが、それを補う工夫がある駅でした。チャートとともに詳細を確認していきましょう。

【評価1】大きなエレベーターを2基設置。ホームから改札へのアクセス良好

　エレベーターは、40点中38.5点で星5つという評価になりました。

　エレベーターはホームの中央に2基設置されています。これまでの駅調査では乗降客数が多い駅でもホームから改札までのエレベーターは1基のみ、という場合が多かったため、これはうれしいポイント。2基が背中合わせに設置されているため、片側にエレベーターが来ていても気付かないというデメリットはありますが、どちらも大きく、ベビーカーの親子連れが3組は同時に入れそうでした。

　ホームから改札階に上がってみると、広い構内にもかかわらずフラットで見通しの良い造り。エレベーター付近からは、井の頭線に近い中央口、構内の両端に位置する南西口、東口という3つの改札がすべて視認できました。ただし、東口改札側から見ると、エレベーターは構内にある銀行ATMに隠れて視認できません。これが唯一の減点となりました。

　満点ではなかったものの、エレベーターの台数、案内板の見やすさなどは文句なし。新しい駅ならではの配慮が行き届いた駅だと感じました。

エレベーターは22人乗りで、小さなベビーカーであれば4台乗ることもできそうな広さ。2基が背中合わせに設置されており、この裏側にもう1基が設置されている

【評価2】子ども専用のトイレなど、子連れに親切な設備が充実

　トイレは星5つの21.5点。子連れに優しい設備がそろっており、加算点が重なったことから満点を超える結果になりました。

　トイレは改札階（1階）とホーム階（B2階）の2カ所に設置されています。ホーム階のトイレは通路が広く清潔感があり、減点要素はゼロ。加えて、女子トイレに9つある個室のうち、6つにベビーチェアがついていました。個室の数が多いのもさることながら、ベビーチェアの設置率の高さはこれまでに見てきた駅で随一です。

　さらに、男性トイレと女性トイレの間に幼児用の「こどもトイレ」も設置。中には男児用の小便器と子どもサイズの大便器、子どもの背丈に合わせた手洗い場があり、小さな子どもが自分でトイレをしたがったときにも安心です。

　ホーム階に設置されたトイレは、改札階のものと比べると設備としてはやや劣るものの、ホーム階にトイレがあるのは心強いもの。液体石けんがないなどの減点はありましたが、駅全体としてはとても充実した設備だといえるでしょう。

改札階のトイレエリアの入り口に設置された「こどもトイレ」。駅ではなかなか見ることがないが、あるととても便利

改札階トイレの案内図。女子・男子トイレともに個室数が多く、ベビーチェアの設置率も高い