【評価3】メトロへの乗り換えで迷う可能性大!

【子連れ視点で乗り換えをチェック!】☆☆☆☆
●中央口改札を出てすぐ右手にある都電荒川線の乗り換えは簡単
●東京メトロ南北線のエレベーターは少し離れたところにあるので、乗り換えは時間に余裕をもって

 乗り換えの評価は星4つの、20点満点中16点。王子駅の乗り換えは都電荒川線と、東京メトロ南北線の2つがあります。

 まず、都電荒川線は中央口改札を出てすぐ右手にあります。距離も近く、駅が目視できるので迷うことはないでしょう。少しレトロな路面電車で電車好きの子どもは喜びそうです。博物館そばの飛鳥山駅まで行くこともできるので、行きは路面電車、帰りはモノレール……というプランもいいかもしれませんね。

 一方、困ったのが南北線への乗り換え。北口から出ればスムーズに乗り換えられるのですが、エレベーターを使って中央口から出る場合は、地上にある歩道橋などがベビーカーでは使えないため、駅前を大回りしなければいけません。さらに、東京メトロのエレベーターが少し離れたところにあるため分かりづらく「本当にこっちで合っているのかな?」と不安になりました。結果、乗り換えにかかった時間は約9分。10分以内で着くことはできたものの、迷う人も多いと考えられるため、4点減点としています。南北線のエレベーターは、北区の多目的文化施設「北とぴあ」の入り口付近にあるので、乗り換えの際はこちらを目指してくださいね。

 ちなみに、中央口、北口の改札付近には駅員さんが常駐。どちらもとてもしっかり構内を観察している印象でした。もし困ったことがあれば、話しかけてみるといいかもしれませんね。

駅前に掲示されていた東京メトロによる出入口周辺案内図。中央口から最も近いのは3番だが、エレベーターがあるのは200メートルほど離れた5番。初めて乗り換えるときは迷う可能性が高そう
駅前に掲示されていた東京メトロによる出入口周辺案内図。中央口から最も近いのは3番だが、エレベーターがあるのは200メートルほど離れた5番。初めて乗り換えるときは迷う可能性が高そう

【評価4】ホーム柵が2018年9月に設置予定

【子連れ視点でバリアフリー度をチェック!】☆☆☆半
●ホームドアの設置はないが、取材時はホーム柵の設置工事中だった
●工事の影響でホームが狭くなっているのでベビーカーの子連れは注意

 バリアフリー度は20点満点中14点の星3つ半。ホームドアが設置されていないことが減点理由です。2018年9月の完成を目指し、ホーム柵の設置工事を進めている最中ですが、その工事の影響でホーム幅がかなり狭くなっているところもあるため、子連れで歩く際は注意しましょう。

 なお、京浜東北線の車椅子・ベビーカースペースは電車の最前、最後車両にそれぞれ設置されています。

【総合評価】使いにくさもあるが、こちらの意識でカバー可能

JR京浜東北線王子駅(調査日:2018年3月)
JR京浜東北線王子駅(調査日:2018年3月)

 京浜東北線王子駅は星3つ半、61.5点という評価になりました。評価はやや低めですが、項目ごとに見てみるとトイレが使いにくい、東京メトロとの乗り換えが分かりづらいなど、弱点がはっきりしている印象です。ベビーカーの場合は、時間に余裕を持ち、駅の多機能トイレが混み合っていたら公園のものを使うなど、あらかじめ想定しておくのが、おでかけ成功の秘訣とも言えそうです。

 中央口の左手を出てすぐそばにあるのが、江戸時代から続く桜の名所、飛鳥山公園。これからの季節は、見事な桜を楽しめるだけでなく、ベビーカーで山頂まで昇れる無料のミニモノレール「あすかパークレール」や都電やSLの展示、お城の形をしたアスレチック遊具など、子どもが遊べる施設もたくさんあります。さらに暖かくなればお弁当を持ってピクニックに出かけるのもいいかも? ぜひ足を運んでみてくださいね。次回は、東京オリンピックでも注目される都営大江戸線の国立競技場駅を紹介します。

(取材・文/小沼理[かみゆ]、澤田聡子)