【評価3】大井町線への乗り換えは行き先によって利用しやすさが分かれる

【子連れ視点で乗り換えをチェック!】☆☆☆☆☆

●乗り換えは大井町線のみ
●ホームを挟んで田園都市線と大井町線が向かい合う造り。行き先によって乗り換えの利便性に大きな差

 乗り換えは20点満点中19点、星は5つとかなりの高評価。

 東急電鉄の田園都市線、大井町線が運行する二子玉川駅。1番線(田園都市線の中央林間方面)と2番線(大井町線の中央林間・溝の口方面)、3番線(大井町線の大井町方面)と4番線(田園都市線の渋谷方面)がそれぞれホームを挟んで向かい合う造りになっています。

 同じホームを使う1番線から2番線への乗り換え、また4番線から3番線への乗り換えは、エレベーターを使う必要もなくスムーズ。1番線から3番線、4番線から2番線への乗り換えはバリアフリールートを使うと計4基のエレベーターを乗り継がなければなりません。行き先によって乗り換えの利便性に大きな差があります。

 とはいえ、田園都市線の中央林間方面と大井町線の中央林間・溝の口方面は走行区域が重なるため、1番線から2番線、また4番線から2番線への乗り換えについて、実際の利用は多くなさそう。一方で、1番線と3番線の乗り換えは「自由が丘」など人気のおでかけスポットに行く際に使うことがありそうです。一部ではありますが、エレベーターの乗り継ぎ回数が多いことを考慮し、減点対象としました。

 しかしながら、他の鉄道会社との乗り換えがなく、「改札内でエレベーターで乗り換えられる」「改札内に駅員がいる」という両方の点を満たしているため、項目としての減点はなし。高評価を獲得することとなりました。

【評価4】通路に段差はほとんどなし。充実したバリアフリー設備

【子連れ視点でバリアフリー度をチェック!】☆☆☆☆半

●ホームドアは完備
●段差がある西口はかなり幅の広いスロープを設置
●ホームが広く柱など視界を遮る物も少なく見晴らしがよい

 バリアフリー度は20点中18点、星4つ半という結果でした。

 広々とした空間が特徴的な二子玉川駅。ホームから出口まで、かなりシンプルな動線で移動できるのがベビーカーユーザーには魅力です。

 段差のない東口は「二子玉川ライズ」に直結しており、玉川高島屋が見える西口には小階段があるものの、幅の広い大きなスロープが設置されており、不便を感じずに駅から出られます。

 ホームの幅も広く、ホームドアも完備。柱などはありますが、死角になる物がほとんどないため、安全性はかなり高いといえるでしょう。

 東急電鉄では、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、運行するすべての駅へのホームドア設置を目指しており、ホームドアが設置されていないのは残り3駅とのこと(2020年1月取材時点)。二子玉川駅では、田園都市線は2018年2月より、大井町線は2019年3月にホームドアが設置されました。ホームドアは事故防止だけでなく遅延防止にも役立つため、親子連れ以外にもうれしい取り組みといえるでしょう。

 また、東急電鉄の車両にはほとんどの編成にベビーカーおよび車椅子スペースが設置されています。中でも2018年に導入された「東急2020系電車」には車両のすべてにスペースの設置があります。一部の古い編成にはベビーカーおよび車椅子スペースの設置がありませんが、携帯端末向けアプリ「東急アプリ」で事前に調べることができます。「東急アプリ」は、走行中の車両の混雑度、乗る予定の車両内の設備、駅ごとの遅延情報や入場規制の情報などをリアルタイムで確認でき、混雑時には他社路線を含めた迂回ルートの検索も可能。おでかけ前にスマホに入れておくと、移動のストレスを減らせそうです。

「東急アプリ」の画面。左端の編成表示時にあるオレンジ色の四角は、バリアフリースペースを表している。混雑率はアイコンで表示され、水色は「座席がほとんど埋まっている」、緑は「吊り革につかまることができる」ことを示す
「東急アプリ」の画面。左端の編成表示時にあるオレンジ色の四角は、バリアフリースペースを表している。混雑率はアイコンで表示され、水色は「座席がほとんど埋まっている」、緑は「吊り革につかまることができる」ことを示す

【総合評価】動線や空間が工夫され、ベビーカーでも使いやすい地上駅

東急田園都市線二子玉川駅(調査日:2020年1月)
東急田園都市線二子玉川駅(調査日:2020年1月)

 東急田園都市線二子玉川駅は84点、星4つ半という結果でした。

 多くの利用者が訪れる駅ですが、駅自体の空間の使い方や広さが混雑緩和を考えた造りになっており、ベビーカーでも安心して移動できる駅。他の項目に比べるとトイレの点数が多少低めになりましたが、設備が充実している上に清潔感もあり、十分使いやすい駅だといえるでしょう。