東急二子玉川駅　バリアフリー設備充実で安心感あり

東急田園都市線二子玉川駅（調査日：2020年1月）

　二子玉川駅の総合点は84点、星4つ半という評価に。

　東急電鉄の田園都市線、大井町線が運行する二子玉川駅。2015年と比較的近年に改装されたためか、駅全体が清潔で設備も充実していました。平日お昼前の取材だったこともあり、多くのベビーカー利用者や親子連れの姿がありました。にもかかわらず、混雑した印象を受けなかった点も評価のポイントといえるでしょう。それでは、項目ごとに詳細を見ていきましょう。

【評価1】特殊構造のエレベーターは一長一短

　エレベーターは星4つ、40点満点中32点という結果になりました。

　二子玉川駅は乗り換え用の連絡通路はあるものの、改札口は1カ所のみ。また、地上駅のためエレベーターに乗る必要はありません。

　特筆すべきは改札階とホームをつなぐエレベーターの構造。二子玉川駅にはホームと連絡通路をつなぐエレベーターと、連絡通路と改札階をつなぐエレベーターの2基が設置されています。つまりホームから改札階に行くには、ホームの端にあるエレベーターでいったん上がり「エレベーター専用の連絡通路」を通ってから、改札階に下りるエレベーターに乗り継ぐ必要があります。

　取材した平日昼間は、ベビーカーを利用する人が多く見られましたが、エレベーターが混雑している様子はありませんでした。特殊な構造なので、誰もが使うという感じではなく、エレベーターの必要性が高い人が、乗りに行っているからでしょうか。乗り継ぎは少々面倒に感じますが、混雑がないせいか、比較的スムーズに移動できました。

　エレベーターがホームの端にあるため、電車を降りる位置によっては長い距離を歩くことも。しかし、広々としたホームはエレベーターを見つけやすく、地上階に降りるとすぐ目の前に改札があるというシンプルな造りのため、迷うことはないでしょう。

　エレベーターのキャパシティーはかなり大きく、大型ベビーカーが4組入れるサイズ。また、壁面がシースルー（透明）になっているため、内部の混雑状況や外で待っている利用客を把握できるだけでなく、有事の際には駅係員が外から状況を確認できるようになっています。

　ホームと改札をつなぐエレベーターに乗り継ぎが必要な一方で、全項目を通して評価が高いことから、高得点を獲得しました。

ホームと改札をつなぐエレベーターの乗り継ぎに使う、3番線・4番線ホーム側の連絡通路。距離はあるが、道幅も広く安全に移動できる

【評価2】オムツ替えコーナーが最大4カ所にある

　本項目は星4つで、20点満点中15点となりました。

　二子玉川駅のトイレは、2015年に改装されたばかりとあって、清潔感があり設備も充実。多機能トイレが2つある上に、男女トイレそれぞれの個室にオムツ替えシートが設置されており、オムツを替えられるコーナーが4カ所もあるのが、特にうれしいポイントでした。

　トイレの設置場所は、改札階のみ。3・4番線ホームのエスカレーター脇にあります。男女トイレの入り口は、どちらも大きく開いていますが、女性トイレは左に1回、男性トイレは右左に2回通路を曲がらなければ中に入れません。通路幅はベビーカー1台分と少し狭く、擦れ違うのは難しいかもしれません。

　ベビーチェアや液体石けんなどの設備は男女のトイレ両方に設置。また、オムツ替えシートは男女共に個室内に設置されており、プライバシーにも配慮されています。しかし、個室内がやや狭いため、記者が大型ベビーカーで入ると、オムツ替えシートを広げづらかったです。オムツ替えシートを使用しない利用者が個室を使っている場合にも、待機しなければならず、利便性を考え2点を減点しています。

　また、ベビーチェア付きの個室は子どもの手の届く位置にドアの鍵があるのがやや気になりました。子どもが鍵を触って個室のドアが開いてしまうというハプニングもありそうです。設備自体はとても充実しているのですが、限られた空間に詰め込んだ印象を受けました。

　2つ設置されている多機能トイレは、設備に違いがあり、向かって左側の個室にはベビーチェアとオムツ替えシート、右側の個室にはユニバーサルベッドとオストメイトが備わっています。機能を分散させることで待ち時間が長くならないよう配慮されています。ユニバーサルシートは入ってすぐの右側に設置されており、しまい忘れると入り口を塞いでしまいます。トイレを出る前には必ず片付けるようにしましょう。

二子玉川駅のトイレの案内図。男女トイレ共に最奥の個室にオムツ替えシートが設置されている

トイレの入リ口。トイレの床には木目調の水をはじく素材が使われており、滑りにくいと利用者からも好評だそう