早速息子に縄跳びをやらせ始めた。これいいかも

 「僕は1000回ぐらいですかって聞いたんですが、笑われました。年長さんの女の子。1時間で8000回だそうです

 8000回! 1分間に133.3回! ってことは1秒間に2回以上! それってボクサーの縄跳びじゃないっすか!

 「そうなんですよ。で、園長先生に『どの子が8000回跳ぶ子か分かりますか?』って聞かれたんです。もうね、一発で分かりました。他の子とは明らかにバネが違う」

 そっかあ、そうなんすねえ……ということで、帰宅後、早速息子に縄跳びをやらせ始めた父親だった。

 2017年11月8日現在で開始から1週間が経過。最初はドタッ、ドタッと1回ずつ跳ぶのがやっとだった東京在住の年中さんだったが、いまだ連続跳びとまではいかないものの、始めたころに比べればずいぶんと軽やかに、40回近くは跳べるようになった。縄跳び、やっぱりいいかもしんない。てか、この際、秋本さんに50歳を超えたおっちゃんの足も速くしてもらって、来年の運動会で走っちゃおうかな、とか夢想するようになったスポーツライターである。

 「1000回跳べるようになったらジードライザー買ってくれる?」

 おお、いいとも。ただ、その前に100より上の数を数えられるようになろうな。

 さて、遺伝が関係したかどうかはともかく、今のところの虎が駿足とはいえないのは父母の若いころを鑑みるに少しも不思議なことではないのだが、まったくもって想定外というか、嬉しい誤算だったこともある。

 おねしょの問題である。

 自慢じゃないが、わたしは相当手こずった。さすがに小6の修学旅行の時は大丈夫だったが、5年生のときの林間学校辺りでは、結構ドキドキしていた記憶がある。というのも、この時期までは依然として年に何回かはやらかしてしまうことがあり、もし神戸市垂水区美山台1丁目にあった日本郵船の社宅がいまだに残っているとすれば、ガレージ奥を支える四角い鉄骨の内部には、親の目をかいくぐろうとして隠蔽されたわたしのおねしょパンツが隠されているはずである。

 未だにうっすらと覚えているおねしょの際の夢は、確かこんな感じだった。