「ラジオ体操、いいわぁ」と自信がついてきた矢先の大失態


 さらに、「体力づくりと聞いてまず思い浮かべるものといえば、ラジオ体操でしょう」、という昭和な発想で毎朝ラジオ体操第1と第2をすることにした。これがちゃんと解説通りにやってみると、ふくらはぎやら腰やら色々なところに効く。

 「タンタンタタ~ンタ~ン」(トラ)
 「イタタタタタッ」(私)
 「全然体そってない」(夫)
 「これがいっぱいっぱいです」(私)
 「タンッッタンッッタン」(トラ)

 とまあ、朝からこんな感じ。トラはあの曲が気に入ったらしく、ご機嫌な様子で身体を動かしながらずっと一緒に歌っている。私にとっては凝り固まった肩や背中をほぐすには程よい動き具合で、身体も気分もすっきりして気持ちがいい。ラジオ体操、いいわぁ。第1と第2を合わせても7分くらいなので、朝ごはん食べる前にささっとできるので、負担にならない。

 この調子で朝体操して、幼稚園の往復も徒歩かバスで行って、週末走ったら、なんか健康的な家族じゃない? トラ、体力つくでしょう、きっと。このまま続けられるつもりになって悦に入っていたのだが。

 あるとき、最近はほとんど夫任せだった幼稚園の送りを私が行くことになった。バスに乗って幼稚園に行ったことは何度も(数えるほどしかないの? と突っ込まれそうだが)あるのだが、朝バスで送るのは二度目くらいの私。いつものバス停から来たバスに乗ればいいやと適当に乗ったら、途中からなんだか様子が変。いつも真っすぐ行くところを右にぐいーんとカーブ。

 え? なんで? こっち行くの。方向違うんですけど~。

 まさかの行き先が違うバスに乗り、とりあえずすぐに降りたはいいけど、で、どうすれば幼稚園に行けるのかは全く分からず。バスを乗り換えようと思ってもまずバス停が分からない。目の調子が悪くてコンタクトをつけられないから眼鏡だったの見えなかったの~っと、自分で言い訳をいっぱい用意しながら、とりあえず園に向けて歩くしかない。夫に電話をかけ、「今、私どこにいるの?」と聞いてみたら、「はぁ? 子どもを幼稚園に送っていけない母親ってどうよ」とバカにされた。半泣きになりながらやっと幼稚園に着いたときには、大遅刻。

 ごめん、トラ。やっぱり慣れないことするとダメだわ。結果的に幼稚園までほぼ徒歩で行くという経験ができちゃったけど。

 「トラの体力づくり企画」は、「ママの根性鍛え直し大作戦」に取って代わられたのだった。

机に座って集中しているふうの虎。写真には、クネクネ具合は写りませんが……
机に座って集中しているふうの虎。写真には、クネクネ具合は写りませんが……

夫のアトコメ

 鍛え直す、というか叩き直さなきゃいけないところは他にもあります。例えば、平気で締め切りをバックレる神経。忙しい? 書くことがない? というか、それが言い訳になると思えてしまう神経が、わたしにはまったく理解できません。ま、いいんですよ。近い将来、息子が夏休みの宿題をまったくやってなくても怒らないんであれば。「やっぱママやって」という土壇場での無茶ぶりに笑顔でお応えするのであれば。