年が明け、いよいよ千葉・埼玉入試がスタートします。東京・神奈川の受験生は、2月1~3日の本番まで1カ月を切りました。首都圏の受験生にとっては、まさに今が受験直前期! ここで頑張らない子はいないと思いますが、何をどう進めていいのか分からないという家庭は多いことでしょう。

「実は、中学受験はこのラスト1カ月の過ごし方が合否の分かれ目になるのです」。そう話すのは、本連載でおなじみの西村則康先生です。

それはどういうことでしょう? もしかしてまだ希望は持てるの? 詳しく聞いてみました。

多くの子がギリギリ合格。目指すのは満点ではなく、合格最低点のクリア!

西村則康先生
西村則康先生

 夏休み明けの9月から各塾で始まる「合否判定模試」。志望校の合格可能性が現時点で何%なのかを数値で表すこの模試は、受験校選びやその対策に大いに役立ちます。しかし、9月以降毎月1回、計4回にわたって実施された合否判定模試も12月を最後に終了。その先は学力レベルの判断材料がないまま、入試本番を迎えることになります。

 西村先生はこう話します。

 「12月以降、自分の今の学力レベルを判断するものがない中、本番まで受験勉強を進めていくのは不安なことと思います。しかし、実は多くの子がこの後の直前期で大きく伸びます。ですから、12月最後の合否判定模試の結果があまりよくなくても、まだ諦めてはいけません。ただし、ここから成績を伸ばしていくには、正しいやり方で勉強をすることが大事です」

資料提供:『中学受験 偏差値20アップを目指す逆転合格術』(青春出版社) 著・西村則康 より
資料提供:『中学受験 偏差値20アップを目指す逆転合格術』(青春出版社) 著・西村則康 より

 こちらの図を見てください。これは中学受験における合格者、不合格者の分布イメージです。これを見ると分かるように、実は中学受験は多くの子がギリギリで合格をしています。「ギリギリで合格」というと、合格者の中で一番点数が低かった子という印象を受けるかもしれませんが、実際は合格ライン(合格最低点)に多数の子がひしめいているのです。

 「だから、たとえちょうど合格最低点しか取れなかったとしても、そこには同じ点数の子が多数いて、ほんの少し上にも多くの子がいると思ってください。また、成績上位で合格している子の多くは、さらに上の中学に挑戦して、その子たちもまたギリギリで合格した上の学校へ進学します。つまり、中学受験では、ほとんどの子がギリギリで合格しているということです」

 では、今、この直前期にどのように勉強を進めていけばいいのでしょうか?

 「中学受験は4科の総合点で合否が決まります。理想はどの教科も得意であることですが、すべてが得意である必要はありません。まして、満点なんて取れなくていいのです。中学受験で満点を取る子などほとんどいません。ですから、すべてを完璧にする必要はないのです。目指すべきものは、合格最低点であることを頭に入れておきましょう」