近年、東京・神奈川の私立中高一貫校で増えている「午後入試」。一つでも早い段階で合格が取れれば“安心”だけど、子どもの体力は持つ? もし不合格になってしまったら? 中学受験専門のプロ家庭教師・安浪京子先生に聞いてみました。

2月2日が本命なら、体力温存のために控えておくのがベター

 首都圏の中学入試は、埼玉県が1月10日、千葉県が1月20日、東京都と神奈川県が2月1日からと入試解禁日が定められています。東京・神奈川の受験生にとって、1月に実施される埼玉・千葉入試は、本番前の“力試し受験”として、多くの受験生が受験をしていますが、実際通うには遠過ぎるといった理由から、滑り止め校にならないこともあります。

 そんな受験生にとってありがたいのが、近年、東京・神奈川の私立中高一貫校で増えている「午後入試」です。午後入試とは、その名の通り、午後に実施される入試を言います。東京・神奈川では、2月1日か2月2日の午後に実施されることが多く、午前中に本命校、または第二志望校を受けてから、午後に滑り止め校として受けるというのが、一般的な流れです。

 近年、午後入試の需要が増え、午後入試を実施する学校では、受験生の負担を考えて、お昼ごはんを食べるスペースを用意したり、午後3時からと入試開始時刻を遅くしたり、学校ではなく駅の近くに試験会場を設けたりと、様々な配慮をしています。

 とはいえ、 午前中に4科入試を受験した後、電車で移動し、さらにもう一度、4科(または1科、2科)入試を受験するというのは、子どもにとって負担にはならないのでしょうか?

 安浪先生はこう答えます。

 「確かに、1日に2回4科入試を受けるのは、小学生の子どもには負担が大きいと思います。でも、東京・神奈川の入試は、2月1日~3日までの3日間が勝負。ここで一つでも早く合格を取っておきたいという気持ちも分かります。とはいえ、 午後入試は子どもによって、よしとなる場合とそうならない場合があり、誰にでもおすすめはできません

 「例えば、2月1日の午前の本命が不合格で、2日の第二志望の結果がまだ出ていない状況で、3日の第三志望を受験するという場合、2月3日の段階ではまだ一つも合格が取れていないことになります(1月受験は別として考えます)。そういう状態で受験をすることになったとき、メンタルが弱い子は、『もし、これがダメだったらどうしよう』『また頭の中が真っ白になってしまったらどうしよう』と過度にプレッシャーがかかり、その後も実力が発揮できないまま、中学受験を終えることがあります。 そういう子は、2月1日の午後に“安全校”を受験し、合格を一つ手に入れておくことをおすすめします。早く合格を取らせてあげることで、その後の入試を思い切って受けさせるためです

 「逆に2月2日の午前中に本命校の入試を控えている子は、無理に受験しないほうがいいでしょう。よほど体力のある子なら受けても構いませんが、そうでなければ翌日のために、体調を整えておくことをおすすめします」

 このように、子どもの体力やメンタル、第一志望校の受験日などによって、受けるべきか、受けないべきかの判断が求められます。

 では、 そもそも「午後入試」とは、中学受験においてどのような位置付けのものなのでしょうか?

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  • 近年増加している算数入試 その狙いは?
  • 安心材料のはずの午後受験でまさかの不合格 そのとき親は?

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