12月に入り、2月1~3日の入試本番まであと2カ月となりました。しかし、今もなお受験校が決まらないという家庭も少なくないでしょう。通わせたい学校はあるのに、今はまだその学校の合格レベルに到達していない。第一志望校は決まっているけれど、併願校をどこにするか迷っている。過去問の取り組み方が分からないなど、直前期は不安でいっぱい。

「でも、この時期になったら、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ!と焦るのは禁物。やるべきことを見極め、それを確実にやることが大事です」。そう話すのは、中学受験専門のプロ家庭教師・安浪京子先生と富田佐織先生。安浪先生によると、「中学受験のラストスパートは親の忍耐力にかかっている」といいます。それはどういうことなのでしょうか? 受験直前期に親がすべきことを教えてもらいました。

※この記事の内容は11月に開催された「併願校の選び方・組み方、過去問題の取り組み方」セミナーの内容をまとめたものです。

直前期の最優先事項は、受験校の選択

 中学受験の本番直前期に入ったら、まず最優先したいのが受験校の選択です。なぜなら、そこが決まらないと、過去問対策ができないからです。

 富田先生のアドバイスによると、受験校選びのポイントは次の2つ。

①本人のモチベーションを維持するための譲れない学校
②合格圏内で進学先として考えられる学校

 「この2つをどう組み合わせていくかが、受験校選びのポイントになります」と安浪先生。

 東京・神奈川を中心とする首都圏の受験生にとって、最初に訪れるのが、埼玉・千葉で実施される「1月入試」です。両県の受験生であれば、これが本番になることもありますが、東京・神奈川の受験生にとっては、2月の本番前の“肩慣らし受験”という位置付けになります。

 1月入試には2つのパターンがあります。

①進学対象である場合
②進学対象でない場合

 それぞれの心構えを、安浪先生はこう話します。

11月に開催された「併願校の選び方・組み方、過去問題の取り組み方」セミナーの様子
11月に開催された「併願校の選び方・組み方、過去問題の取り組み方」セミナーの様子
<次のページからの内容>
● 1月入試における注意事項「親が口にしてはいけないNGワード」!
● 1月校が進学対象である場合、進学対象ではない場合別の対策
● 2月受験の日程の組み方、5つのポイント

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【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
【第3章】 受験生 普段の勉強と、長期休みの戦略的な活用方法
【第4章】 男女御三家と早慶付属校の最新問題傾向
【巻末付録】 必見!プロがすすめる併願パターン 74校が登場

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