一般的に中学受験は、算数が得意な子が有利と言われています。では、現時点で算数が苦手な子は勝ち目がないのでしょうか? 「いいえ、そんなことはありませんよ」。そう話すのは、理数系教育を軸に中学受験指導を行う少人数制塾「エルカミノ」代表の村上綾一先生です。でも、それには10歳からの親の関わりが要になるといいます。それはどういうことなのでしょうか? 詳しく聞いてみました。
中学受験に算数が得意な子が有利なワケ
村上先生はこう話します。 「確かに、中学受験では算数が得意な子が有利です。なぜなら、算数は入試4教科の中で、最も点差がつきやすい教科だからです」
「国語は文章を読み、設問に沿って答えていけば正解を出すことができます。理科・社会はある程度の知識があれば答えられます。でも、算数は考え方が分からなければ解くことはできません。また、考え方は分かっていても、途中で計算ミスをしてしまったら、正解を出すことができません。つまり、できたか・できないかで点差が大きく開いてしまう教科なのです」
また、中学受験では、学校側も算数入試を重視しています。
「受験算数では、色々な単元の問題が出題されますが、結局のところ求められるものは、計算力と論理的思考力です。中学以降の勉強、特に数学は論理的な学問になります。そのため、論理的思考力が身に付いていないと、それ以降の勉強の理解が困難になります。その土壌ができているかどうかを見極めるために受験算数があると言ってもいいでしょう。特に大学合格実績が高い進学校ほど、入試で算数を重視する傾向がありますね」
では、算数が苦手な子には、挽回の余地はないのでしょうか?