中学受験の対策に大手進学塾は不可欠です。なぜなら、大手進学塾には受験に必要なカリキュラムが整っているからです。でも、それをうまく使いこなせる家庭はごく一部。逆に多くの家庭が、塾に振り回され、親子で疲弊しています。では、中学受験家庭は塾とどのようにつき合い、どのように活用していけばよいのでしょうか? 中学受験専門のプロ家庭教師の安浪京子先生に聞いてみました。

中学受験に塾は不可欠。でも、通わせているだけで安心してはいけない

「子どもが塾のカリキュラムについていけるか否かは、実は親御さんの働きかけにかかっています」(安浪京子先生)
「子どもが塾のカリキュラムについていけるか否かは、実は親御さんの働きかけにかかっています」(安浪京子先生)

 今の時代、中学受験をするなら塾に通うことは必須です。中学受験は小学校で学習する内容と比べものにならない難度・学習量が求められるうえ、受験算数をはじめとする特殊な知識も必要になるため、家庭学習だけでは太刀打ちできないからです。

 「しかし、塾にさえ入れれば、誰もが成績が上がり、志望校に入れるというほど、中学受験は甘くありません。むしろ、塾に通うことで伸び悩んでしまうことのほうが多いのです」

 そう話すのは、DUAL連載「DUAL悩みの時間」で、受験の悩みに答えてくれている安浪京子先生です。

 「大手進学塾にとって最も大切なことは、『難関校に何人合格させたか』という実績です。それが大きな宣伝効果となるからです。そのため、塾が一番力を入れたいのは、難関校へ入る実力のある子を伸ばすこと。塾のテキストやカリキュラムはその子たちを基準に作られています」

 「大手進学塾の授業は20~30人の集団で行われ、生徒一人ひとりの理解とは関係なく、年間スケジュール通りに進められていきます。つまり、その学力レベルに達していない多くの子が、取り残されてしまうのです」

 「けれども、塾のカリキュラム通りに、最初から最後まで順調に進めていける、いわゆる“デキル子”は、上位クラスでもごく一握り。あとの子は必死でついていくことになりますが、それができる子とできない子の差は、実は親御さんの働きかけにかかっているのです」

 それはどういうことなのでしょうか?

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【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
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