公教育で授業料が安価なうえ、充実したカリキュラムで人気の公立中高一貫校。しかし、入学者選抜の「適性検査」は対策を立てて勉強をすることは難しく、しかも受検倍率は平均すると約5倍もの高倍率。「だからこそ、覚悟を持って挑戦してほしい」と力を込めて言うのは、元大手進学塾の公立中高一貫校対策クラスのカリスマ講師で、現在は公立中高一貫校合格アドバイザーとして多くの小学生を指導するケイティさん。詳しく教えてもらいました。

受検倍率は約5倍 人気が高い公立中高一貫校

 2005年に東京都に初の公立中高一貫校が開校して以来人気の、公立中高一貫校。「公教育で私立のような手厚い指導が6年間受けられる」という“お得感”から注目を集め、開校当初は応募倍率が約14倍にもなり、世間を驚かせました。

 「その後、ダメ元で挑戦して、受かればラッキーといった記念受検をするケースが減り、開校から約15年たった今は倍率は平均で約5倍と下がりました。それでも、私立の難関校でさえ受験倍率は3倍前後ですから、公立中高一貫校がいかに狭き門であるかは分かります」と、公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティさんは話します。

 公立中高一貫校の入学者選抜は、学力テストではなく、小学校の成績や活動の記録を反映させた「報告書」と、「適性検査」と呼ばれる筆記テスト、で選別が行われます。適性検査は私立中学受験のような教科別の学力テストではなく、教科の枠を超えた総合力が求められます。ただ知識を問うだけの選択問題や抜き出し問題はほとんどなく、長い文章やグラフ、資料などを読み、そこから何が分かるかを考え、自分の言葉で表現する力が求められます。そのため、解答の多くが記述式です。このような特殊な内容のため、対策が難しいと言われています

 では、どのように準備を進めていけばよいのでしょうか。次のページから詳しく紹介します。