中学受験をするなら、受験カリキュラムが完備されている大手進学塾に通うのが一般的とされています。しかし、ハードな授業についていけず、自信をなくしてしまう子は少なくありません。逆に、マイペースに受験勉強をさせたいからと個人塾からスタートしたけれども、思った以上に子どもの成績が伸びたため、成長を期待して、難関校に多数の合格者を出している大手塾に移りたいと考える家庭もあるかもしれません。

そんなときに頭によぎるのが「転塾」です。転塾をする際はどんなことに気を付けたらよいのでしょうか? 進学個別桜学舎・塾長の亀山卓郎さんにアドバイスをもらいました。

大手から大手への転塾は、原因を明確にすること

 中学受験に挑戦するからには、上を目指したい。そう考えて、難関校に多数の合格者を出している大手進学塾に通わせる家庭は少なくありません。しかし、そういう塾は、難関校を狙えるだけの実力を持った子を対象にカリキュラムが組まれているため、少しでもついていけなくなると取り返すことが難しくなり、家で宿題を進めるのも苦労することになります。

 「そんなときに、同じ大手塾でももう少し間口の広い大手塾へ転塾を考える家庭があります。塾によっては、授業のスピードが少しゆっくりだったり、宿題の量が少なかったりして、子どもの負担が少なくてすむところもあるからです。そういう塾に移れば、元の塾でついていけなかった子も、自分のペースに合った学習ができて、成績も上がり、自信を取り戻すことができる可能性は十分にあります。しかし、基本的に大手塾である以上、成績の競争があったり、塾の先生との距離感があったりすることは変わりません。そこで、何に不安や不満を感じて転塾を希望するのか、明確にしておく必要があります

 「私の塾では、1クラス8人前後の少人数授業と、生徒と1対2~3の個別授業を行っていますが、毎年、新学年がスタートする2月や夏休み前に、大手塾から転塾してくる子がいます。転塾の一番の理由は成績不振ですが、よくよく聞いてみると、『分からないことがあっても質問ができない』『相談したいことがあっても気軽に聞くことができない』といった塾のフォロー不足に不満を抱いているケースも見られます」

 「例えば、質問は一人1つまでと決められていて、長い順番を待って1つ質問したら、また並ばなければいけない、といった塾もあるようです。積極的に質問できる子ならいいのですが、中にはちゅうちょしてしまい、質問ができない子もいるかもしれません。また、お子さんを大手塾に通わせていたある親御さんは、志望校選びで迷っていたときに、『この学校はどう思いますか?』と聞いてみたかっただけなのに、その学校のことをよく知らない教科担当のところで話が止まってしまい、中学受験全体を把握している教室長に相談にのってもらうことができず、歯がゆい思いをしたそうです。それでは不安が募りますよね。けれども、たくさんの生徒を抱え、組織化している大手塾では、ある意味仕方がないことかもしれません」

 成績がよい、子どもがさらに刺激を求めたいといった場合は、進度が速い塾への転塾を検討することがあるでしょう。その場合に押さえておきたいのは、「カリキュラムに漏れがないか」ということです。算数や理科のカリキュラムは塾によって異なるため、単元の学習が抜け落ちることが起こり得ます。在籍している塾ではまだ習っていない単元を、転塾先では当たり前のように扱っていて、子どもが戸惑うかもしれません。現在の塾と、転塾検討先の塾のカリキュラムを比べ、漏れがないかを確認しましょう。

写真はイメージです
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  • 小規模塾に転塾する際に、見るべきポイントは
  • 転塾をしたらこれまでの勉強のやり方を変える
  • 地元の中堅校狙いなら、個人塾のほうが強いケースも

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