11都府県に緊急事態宣言が出されていた中で行われた2021年度の中学受験、関東圏では受験校選びにどのような動きがあり、入試問題に変化はあったのでしょうか。それを受けてこれから中学受験を検討している家庭はどのように家庭学習をすればいいのでしょうか。中学受験に詳しい森上教育研究所の森上展安さんに聞きました。

2021年度の入試は「安全志向」

 「2021年度入試の特徴をひと言で表すとすれば、『安全志向』だったと言えるでしょう。その背景に新型コロナの影響があったことは間違いありません」

 そう話すのは、長年、中学受験の動向を分析している森上展安さんです。

 20年は4月~5月にかけて緊急事態宣言が出され、塾で対面授業ができなくなり、慣れないオンライン授業で受験勉強を進めていくことになりました。宣言が解除されてからも、感染防止のため、文化祭などの学校行事や、受験生家庭を対象にした学校説明会がオンラインで実施され、実際の学校を見ないまま受験校を決めなければなりませんでした。そこへ、関東圏では入試直前期に2度目の緊急事態宣言が出されコロナ下で本番を迎えることになりました。何もかもが異例づくしの中学入試になったのです。

 「こうした事情から今年の入試は、挑戦校にはチャレンジせず、志望校のランクを少し下げてでも確実に合格できる学校を受験する動きが見られました。コロナ感染を回避するために、遠方の学校への受験を控え、受験校数を減らす家庭も多く見受けられました」

 では、各校の受験生の動きはどうだったのでしょうか?

 「男子最難関校である開成中学の受験者は20年度の1188人から21年度の1051人と12%も減少、武蔵は580人から574人の1%減とさほど大きな変化はありませんでしたが、麻布に関しても971 人から844人の13%減と、減少が見られました。一方、駒場東邦は、ここ数年は実倍率2.0倍と受けやすく、しかも東大合格実績が上がっています。昨年は576人だった受験者が21年度は 623人と10%増加しました。麻布を受けようと思っていた層が、安全策をとって流れたのではないかと思われます」

 「また、神奈川の聖光学院は16%減、千葉の渋谷幕張も男子は19%減、女子は15%減となりました。例年であれば都内の受験生が大勢受けに行く学校ですが、コロナで遠方へ移動することのリスクを考え、“受験をしない”選択をしたのではないでしょうか」

 では、どういう学校が受験者数を増やしたのでしょうか。

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  • 難関大の付属校は今年も変わらぬ人気
  • 中堅校でも新大学入試を意識した問題が増加
  • コロナで抜けた穴を潰す 過去問研究も念入りに

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