いよいよ関西地方、千葉・埼玉の中学受験入試が始まります。東京・神奈川の受験生にとっては、2月1~3日の本番まではあと少しありますが、入試直前期に当たる今、受験生とその親は何を最優先すべきか、本連載でもおなじみの中学受験情報局主任相談員の小川大介先生に聞いてみました。ぜひ参考にしてみてください。

最後の過去問は本番1週間前に取り組み、“やや不安”なところを見直す

小川大介先生
小川大介先生

 中学受験生は本番を迎えている時期です。志望校の過去問を解きながら、直前の対策をしていると思いますが、その過去問も残りわずかとなっているのではないでしょうか? では、最後に残した過去問は、いつ取り組むとよいのでしょうか?

 小川先生はこう答えます。

 「過去問は第一志望校なら過去5年、併願校なら過去2~3年分取り組むのが一般的です。最後に取り組むのは、本番1週間前。まだ手を着けていない直近3年のうちのどれか1年の過去問に、本番を意識して取り組みましょう」

 「まず、過去問に取り組む日の前日に、どのように解くか、4科目をどう配分するかなどしっかり戦略を練ってから臨みます。そして、解くときは開始時間も休憩時間も当日と同じ時間に設定します。日ごろからうっかりミスが多い子は合格最低点からプラス10点を目標に、ややチャレンジの場合は合格最低点を目標に取り組んでみましょう」

 では、なぜ1週間前がよいのでしょうか? 

 「あまりギリギリのタイミングで取り組むと立て直しの時間が足りなくなるからです。でも、1週間あれば立て直しが可能です。本番を意識して解いてみたのに、『あれ?』という問題で間違えてしまうことがあります。『あれ?』というのは、普段なら解けているはずの問題を焦ってミスしてしまったなど、想定外の事態を指します」

 「この想定外のミスが、中学受験では合否に大きな影響を与えます。直前期にそういうことが起こると親子で焦りますが、ここは冷静に受け止め、気持ちを整えながら勉強をし直し、不安要素をなくすことが大事です。間違った単元を集中的にしつこく見直し、『よし、これでいいだろう』とある程度の区切りをつけて本番に挑みましょう」

 「このときに気を付けてほしいのが、すべてを完璧にしようと思わないことです。中学受験では満点で合格する必要はありません。直前期になったら、正解率の低い難問は捨てる覚悟で、正解率の高い問題を確実に取ることに目を向けてください」